上下水道 兵庫県姫路市3
ネット上であまり見かけない蓋を中心に、新しくても少数派なら掲載しています。
下水道
下水・合流
姫路市 下(水)
撮影:2005年1月 兵庫県姫路市
φ680のコンクリート蓋。ここ10年くらいでずいぶん減りましたが、平成29年(2017年)現在でも、車通りの少ない道にはまだあります。コンクリート製であるだけに、マークがすり減ったもの、中央部が陥没したものなど、長年の苦労が偲ばれる蓋が見られます。この蓋はマークの向きがずれていますね。
コンクリート蓋は、戦中戦後の鉄不足の時代にあちこちで作られていたそうですが、神戸や明石のように、コンクリート製の、新しい公共枡の蓋を作っている自治体もあります。
姫路市 下(水)
撮影:2017年4月 兵庫県姫路市
マークが小さく周囲に丸いくぼみのあるタイプ。道路の拡張部分にあり消滅しました。
姫路市の創設下水道は、昭和12年(1937年)12月事業認可。翌13年(1938年)8月起工。
姫路市 下水
撮影:2005年6月/2020年9月 兵庫県姫路市
穴が独立しているいわゆる「名古屋市型」の蓋。JISよりもこちらの方が好みかな。
この2枚は、中心から外周まで通っている線がX字か十字かの違いですが、見た目がスッキリしている十字タイプの方が多いようです。元祖である名古屋市の蓋も十字です。
交通量が少なめの路上でたまに見ますが、だいぶ少なくなりました。
姫路市(下水)
撮影:2020年9月 兵庫県姫路市
名古屋市型で「下水」の文字のないもの。削られたのではなく、最初から鋳出していないようです。他都市はこれが標準ですが、姫路ではかなりめずらしい。
姫路市(下水)
撮影:2015年5月 兵庫県姫路市
3世代ほど前の合流蓋と思われます。旧姫路市の下水蓋の中では極めてめずらしく、パターンもさることながら、周囲をぐるっと箱入り十字架で取り囲んだ受枠がかなり珍しく、今のところ他の自治体でこういう受枠を見たことがありません。目がチカチカします……。
姫路市 合流増補
撮影:2015年2月 兵庫県姫路市
下水道は雨水管と汚水管を別に整備するのが理想ですが、普及を早めるために合流管のみで工事をした自治体も多くありました。合流式下水道は、雨量が多いと、雨水と汚水の混じった下水が河川に流れ出したり、特に低地の市街化地域で側溝があふれて浸水したりなどの問題があります。
これらの問題解決の1つが、増水時の待避ルートになる増補管の整備です。姫路市のサイト合流式下水道の改善に説明があります。
姫路市 ごうりゅう ぞうほ
撮影:2019年5月 兵庫県姫路市
地元虹技のスリップ防止蓋。
姫路市(下水)
撮影:2015年6月 兵庫県姫路市
市街地の下水蓋の中では大きく、以前大きさを測った方によるとφ950だったそうです(私は計測していません)。こういう神戸のようなパターンは珍しく、姫路市や兵庫県の上水蓋の旧タイプで10枚くらい見たのみです。姫路市の下水関連は亀甲パターンの蓋が一般的です。
姫路市 幹線
撮影:2017年4月 兵庫県姫路市
1200-600の親子蓋。
市街地の合流部分の蓋は、市章のみのものが一番多いように思います。次いで「下水道」と書かれたもの。「合流」のみは見たことがありません。
姫路市 空気弁
撮影:2017年5月 兵庫県姫路市
900くらいの大蓋。
姫路市 減圧弁
撮影:2018年3月 兵庫県姫路市
坂の始まりにある900-600の親子蓋。減圧弁は上水の方が多いですが、この場所は下りが下水、上りが上水になっています。
汚水
姫路市 汚水
撮影:2021年4月 兵庫県姫路市
漢字で「汚水」と書かれた蓋は少なくなりましたので掲載します。これは楷書ですが、ゴシック体の「汚水」もあります。外蝶番鍵穴あきで三世代くらい前、日之出蓋なら1980年代前半あたりのものでしょう。
姫路市 おすい弁室/姫路市 空気弁/姫路市 点検孔
撮影:2018年2月 兵庫県姫路市
同じ場所にあったもの。
姫路市 おすい
撮影:2017年4月 兵庫県姫路市
平成28年(2016年)ごろ姫路駅近辺に登場した蓋。蝶番やバール穴部分に長島鋳物の特徴のあるもので、おすい2枚確認。
姫路市 げすいどう おすい
撮影:2016年5月 兵庫県姫路市
旧夢前町内にて。平成18年(2006年)3月27日の合併以降の蓋です。大阪府豊中市に同じパターンの「菱枠KCマーク」付きの蓋がありました。これはメーカー名はありませんが、豊中の蓋同様、市内のメーカー虹技製ではないでしょうか。
姫路市 かんせん おすい
撮影:2014年7月 兵庫県姫路市
いかにも滑り止め効果がありそうな突起の群れ。同じデザインで虹技の社名入り蓋もあり。次世代型高品位グラウンドマンホール推進協会のサイトによると、デザインは虹技のようです。
姫路市 お
撮影:2005年8月 兵庫県姫路市
マーク無しなので鋳造メーカーは不明ですが、日之出水道機器のASD(Anti-Slipping Design)というスリップ防止蓋のデザインです。市章の下に「お」と鋳出されています。雨水の「う」、合流の「ご」もあります。
このタイプがさらに増えるかと思っていたらそれほど流行らず、平成22年(2010年)ごろより駅周辺の道路整備が行われた地域などに、上の「かんせん おすい」と同じデザインの蓋が増えてきました。
姫路市 げすいどう おすい T-25
撮影:2017年4月 兵庫県姫路市
こちらもASDデザインの蓋です。上の「お」の蓋ののち、このようなメーカーマーク入りの蓋が登場。自治体の蓋でも一見してメーカーがわかる蓋はうれしい。これからも増えてほしいです。
姫路市 汚水
撮影:2014年7月 兵庫県姫路市
FRP製の汚水枡蓋。φ380。昭和49年(1974年)9月29日に「公共下水道の公共ます設置基準」が制定されていますが(実施は10月1日より)、これ以降の、市章入り枡蓋の最初の仕様ではないでしょうか。
薄い緑色ですが、年月が経ってほとんど白くなっているものも少なくありません。駅南などの敷地内にまだまだあります。
姫路市(汚水)
撮影:2014年6月 兵庫県姫路市
メーカーパターンの出ている汚水枡蓋。380くらい。飾磨区の一部で見られました。
旧姫路市内の公共枡の蓋は、亀甲パターンの360くらいの鉄蓋が一般的で、バージョンがいくつかあります。近年のものは小さくなりφ270。
姫路市 特定
撮影:2017年5月 兵庫県姫路市
三菱電機付近。φ600で鍵穴と空気抜き穴が開いている2世代くらい前の蓋。「特定」の大蓋は少ないです。
水質汚濁防止法で定められた特定施設からの排水がこの下を通っています。京都の病院で見た「採水枡」蓋と同様の用途なのでしょう。
姫路市 特定
撮影:2017年4月 兵庫県姫路市
アンビック付近。こちらは380くらいでたまに見かけます。クリーニング工場にもあったような? これと同じデザインの汚水枡蓋がたくさんあります。工場排水処理関連では「ひかく」蓋もあります。
デザイン蓋の一部はこちらに入れています。
よく見られる蓋はほとんど撮っていませんので、他サイトをご覧下さい。
参考リンク:吉田清彦さんのサイト「ミニ写真集:マンホールの蓋 姫路市」。日本マンホール蓋学会サイト 兵庫県姫路市。
参考文献
- 『姫路市下水道史』姫路市下水道局編 1991年6月1日 姫路市下水道局
- 『マンホールのふた<日本篇>』林丈二著 1984年3月30日 (株)サイエンティスト社
2005年9月3日:ページ新設。2015年6月12日:上水と下水に分割。2017年8月16日:11枚追加。2017年9月23日:1枚追加。2019年10月10日:合流増補1枚追加。2020年7月15日:名古屋市型1枚、減圧弁、汚水1枚、おすい弁室、空気弁、点検孔追加。おすい親子蓋1枚削除。2020年9月30日:名古屋市型1枚差し替え、1枚追加。