電信電話1
逓信省、電電公社
丸蓋
逓信省 電話
殿堂
撮影:2004年11月 大阪府大阪市
おなじみ郵便マーク「〒」は、もとは逓信省のマークでした。『マンホールのふた<日本篇>』P64によると、
明治18年12月逓信省が設置され,昭和24年6月電気通信省発足,同27年8月日本電信電話公社となる。〒マークは明治22年2月,逓信省全般のマークと定められ、電電マークが昭和24年9月に電気通信省のマークとして定められるまで使われた。
とあります。ということは、〒マークの蓋は昭和24年(1949年)9月以前、逓信省もしくは電気通信省のものということになります。
ただ、電気通信省が〒マークを使ったのは約3か月なので、〒マークの蓋、特に鉄蓋は逓信省のものと考えていいかと思います。
マークの変遷
年月日 | 名称 | マーク |
---|---|---|
明治18年12月 | 逓信省 | |
明治20年2月8日 | 逓信省 | |
昭和24年6月 | 電気通信省 | |
昭和24年9月 | 電気通信省 | |
昭和27年8月 | 日本電信電話公社 | |
昭和60年4月1日 | 日本電信電話(株) |
※マーク画像は当方が製作しているもので、正式なものではありません。〒マークの発祥は日本郵政の沿革により明治20年としました。
逓信省 電話
殿堂
撮影:2005年11月 大阪府大阪市
いい感じに光っていたので、横向きですが撮ってみました。この蛸の足のようなパターンは、京都から下関の間で確認されているそうです。タコ足蓋のほとんどは吸盤が縦に8個並んでいますが、この蓋は6個です。中心部近くの吸盤はまんまるでかわいいですね。
タコ足パターンは、昭和32年(1957年)T字パターンが採用されるまで使われたそうです。取っ手の位置は上と同じ左右ですが、外から3番目の吸盤の上に移動しています。
逓信省 電話
殿堂
撮影:2005年6月 兵庫県相生市
よく見れば蛸の吸盤が9個のもの。取っ手の位置は上下で外から3番目。φ(直径)840、枠まで880。
電電マーク 電話
殿堂
撮影:2016年2月 兵庫県相生市
中央が電電マークになりました。電電マークは昭和24年(1949年)9月、当時の電気通信省のマークに制定され、電電公社でもそのまま、昭和60年(1985年)4月1日の日本電信電話(株)(NTT)発足まで使われました。
上下がT字で中央の窪みがSになっていて、TTSマークと言うそうです。
電気通信省が電電マークを使ったのは3年弱で、まだまだ資材の足りていない時期だったこともあり、電電マークの鉄蓋はほぼ電電公社の蓋と考えていいでしょう。
とはいうもののこのデザインは相当古そうですが。
φ780、枠まで820。こちらも取っ手は上下で外から2番目。
日本電信電話公社
撮影:2020年10月 兵庫県姫路市
まだまだ全国どこにでもあると思われる電電公社の蓋。『マンホールのふた<日本篇>』P66によると、
「Tの字」パターンは「マンホール鉄蓋」の著者伊藤哲男氏が昭和24年頃に考案したもので,TELEPHONEとTELEGRAMの頭文字TとTを組み合わせたものだそうである。その後電電マークと「Tの字」パターンを組み合わせた円形鉄蓋は,昭和31年に全国仕様となり,日本中で使われるようになった。
ということです。また、昭和37年(1962年)6月以降は盤面の反りがなくなり平面になったとのこと。近くの電柱には「71」の文字がありました。同時に設置されたとすれば昭和46年のことになります。
日本電信電話公社
撮影:2020年10月 兵庫県姫路市(2枚とも)
いずれも少し小型のもの。1枚目は上の蓋とはパターンが90度ずれています。写っている白線は幅15cmですが、蓋の直径は白線約5本分でした。
2枚目はパターンが右に半分くらいずれていて、左右対称になっていないもの。マーク中央のくぼみもきちんとSになってなくて、まあだいたいこんなもんでしょうという感じ? 複数枚ありました。
この少し小型サイズは、見た限りではいずれも、マークの両サイドにT字の頭の縦線が入っていました。大型蓋の方はT字の足の部分である横線が入っています。鍵穴はいずれも縦になりました。
電電マーク
撮影:2005年11月 奈良県奈良市
コンクリートがだいぶすり減って鉄の同心円が出てきています。サイズは測っていませんが550くらいでしょうか。
日本電信電話公社
撮影:2019年4月 愛知県名古屋市
いわゆる名古屋市型パターンの蓋。下水用途は普通ですが、電電蓋まであるとは、パターン発祥の地名古屋ならではですね。
蓋を開ける用の穴が4か所ありますが、水や砂利が入りそう。
この蓋はそれほど傷んでいません。公社時代の最後の方でしょう。
角蓋(大)
逓信省
殿堂
撮影:2014年9月、2023年3月 兵庫県姫路市 拡大画像(60KB)
3連の大蓋。横の点字ブロックが1辺30cmなので、長辺は1400、短辺は900くらいありそう。市川橋通付近に8枚あります。
逓信省 電話
殿堂
撮影:2005年9月 京都府京都市
縦740×580×2枚の大蓋。この大きさでマークが電電のもあります。「話」の字の上の方が独特。
別の場所のもの。
撮影:2011年4月 大阪府東大阪市
逓信省 電話
殿堂
撮影:2005年9月 京都府京都市
上とは取っ手の位置と書体が違う逓信省大蓋。パターンの線も太め。
逓信省 電話
殿堂
撮影:2004年11月 奈良県奈良市
少し小さくなりました。東大寺の参道にあります。場所が場所だけに、皆建物を見ながら歩いていて、下を見てるのは私とシカくらいでした。
逓信省
殿堂
撮影:2005年7月 兵庫県姫路市
さらに小さくかわいくなりました。660×360。場所を教えて頂きました。ありがとうございました。
電電マーク 電話
殿堂
撮影:2005年9月 京都府京都市
2つ上の蓋とだいたい同じくらいのサイズ。文字が細長い。
電電マーク
殿堂
撮影:2005年10月 兵庫県姫路市
2つ上の蓋とだいたい同じくらいのサイズ。
電電マーク 電話
撮影:2006年1月 福岡県福岡市
横1200くらい。細めの横長菱格子で左書きになりました。これより下は日本電信電話公社時代の蓋でしょう。
電電マーク
殿堂
撮影:2010年4月 三重県伊賀市
マークのみの角蓋。画像ではわかりにくいですが900四方くらいあります。菱形が浮き出すパターン。
電電マーク
殿堂
撮影:2018年10月 三重県伊賀市
こちらもマークのみ。横750か800くらいあるでしょうか。
しかし、まだこのようにのんびりした顔の蓋が働いているんですね。労働というより、ご老人のひなたぼっこのようです。めずらしいので殿堂入り。
電電マーク
撮影:2006年1月 福岡県福岡市
マークのみの角蓋。ちょっと古いか。
電電マーク
殿堂
撮影:2014年5月 広島県呉市
マークのみの細角蓋。横は850くらいでしょうか。四角い部分には取っ手が入っていたようです。中国地方専用の少数派らしいので殿堂入り。
日本電信電話公社
撮影:2019年4月 愛知県名古屋市
2枚組の大型角蓋。周囲のブロックから類推すると、横1200、縦650くらい。地方ではなかなか見ないです。
日本電信電話公社
撮影:2020年12月 兵庫県姫路市
よくある大型の角蓋。横1200、縦600くらい。これは地方にもあります。もう一回り小さいものもありますね。
角蓋(小)
逓信省.C
殿堂
撮影:2005年5月 京都府大山崎町
蓋のみ500×500、枠まで540×540。「C」はケーブルでしょうか。〒マークの蓋は古い割にあちこちで見られます。NTTの物持ちがいいのかどうなのか。
逓信省.T
殿堂
撮影:2005年5月 大阪府高槻市
「T」はTELEPHONEかTELEGRAMでしょう。
電電マーク
殿堂
撮影:2005年9月 大阪府島本町
電電公社のマークに替わり、ひよこみたいにかわいくなりました。500くらい。
電電マーク
殿堂
撮影:2011年4月 大阪府東大阪市
少し小型。取っ手は1か所に。
日本電信電話公社
撮影:2005年5月 京都府京都市
平べったいのでそれほど古くなさそうです。
ミニ蓋
電電マーク
撮影:2005年9月 岡山県倉敷市
横120くらいのミニ蓋。これくらいの大きさの大阪ガスの蓋ならよく見るんですけど、電電マークのはあまりないですね。そのへんの止水栓のようです。何の用途なんだろう。