境界標3
鉄道
JR、旧国鉄
工マーク
撮影:2020年12月 兵庫県姫路市
工マークのコンクリート製境界杭。明治3年発足の工部省時代に制定され、JRになっても使い続けられている、おなじみのマークが見られます。
金属標の矢印の向いている、手前右のコーナーが境界ですね。頭に矢印や溝はなく、杭が打たれたあとで境界が変わったのでしょうか。
東日本などではJR杭もあるようですが、当地ではコンクリート杭も金属標も、新しいものでも工マークになっています。
工マーク、JR
撮影:2020年12月 兵庫県姫路市
JRのシール帽子をかぶっているもの。播但線高架下にて。頭の矢印はこちらを向いています。このあたりは昭和59年(1984年)10月1日に高架化されています。
工マーク
撮影:2021年1月 兵庫県姫路市
頭が尖っているもの。「工」の字が手書きふう。播但線飾磨港線跡の遊歩道にて。
飾磨港線は、JR発足5か月前の昭和61年(1986年)11月1日に廃線になりました。これは国鉄時代の杭ですね。
遊歩道は現在は市道になっていて、新しい境界標は姫路市のものになっています。
工マーク 引照標
撮影:2022年3月 兵庫県姫路市
高架下の引照標。姫路駅近く。
島根県 境界 / 松江市 道界 / 工マーク
撮影:2018年5月 島根県松江市
3交点。島根県さんがわずかにずれている気もしますが。
姫駅周 / 工マーク
撮影:2024年6月 兵庫県姫路市
2交点。松江市にもあった工マークの金属標は、姫路駅付近にも何枚もあります。JR西の境界標は、工マークの金属標とコンクリート杭が一般的のようです。
このJR金属標は、JR西日本エリアでは普通にあるものかもしれません。大阪駅近辺でも見ました。真鍮製のようです。
姫路市 / 工マーク
撮影:2021年1月 兵庫県姫路市
2交点2か所。姫路市の境界がJRの中に入り込んでいます。工プレートの矢印がやや長め。
工マーク
撮影:2024年5月 兵庫県姫路市
アルミ製の杭でしょうか。6cmくらいあります。初めて見ました。
工マーク
撮影:2021年1月 兵庫県姫路市
小型の正方形の金属標。姫路ではめずらしいような。
工マーク
撮影:2023年6月 兵庫県姫路市
姫路城西側、好古園付近にあった杭。
2枚目にある塀は好古園の塀です。水路のような場所は姫路城の内濠です。
戦前城内は陸軍が管理していました。この場所には軍用犬の訓練所もあったようです。
戦後は官公庁や住宅、店舗などが建ったのですが、城の西側、現在の好古園のおよそ北半分には、国鉄と営林署の宿舎ができました。
これら宿舎は、城周辺の再開発事業で、昭和57年(1982年)移転。
山陽電気鉄道
山
殿堂
撮影:2023年2月 兵庫県姫路市
山陽電気鉄道(株)のものと思われる石杭。見える側面には特に何も書かれていないようです。
ここより南にも杭が何本かあって、背中側をズームで撮ってみましたが、距離があったこともあり、文字らしきものは確認できませんでした。
山陽
撮影:2020年5月 / 2018年6月 兵庫県姫路市
山電のコンクリート製境界杭。頭があまり出てなくて「山」しか見えないものが多く、「陽」まで見えるのは少ないようです。
2枚目は矢印付き。新しそうです。
加古川市 / 山陽電気鉄道
撮影:2018年6月 兵庫県加古川市
加古川市と山電の金属標。加古川さんの顔が悲惨。
2枚目は車両に取り付けられている山陽電気鉄道(株)の社章。金属標で目鼻口に見える部分はレールの断面なんですね。
阪急電鉄
阪急
撮影:2022年11月、12月 兵庫県神戸市
阪急電鉄(株)のコンクリート製境界杭と金属標。
神戸電鉄
神鉄
撮影:2018年10月 兵庫県三木市
神戸電鉄(株)のコンクリート製境界杭。「神鉄」と彫り込まれています。
名古屋鉄道
名古屋鉄道
撮影:2016年4月 愛知県犬山市
名古屋鉄道(株)(名鉄)のコンクリート製境界杭。旧マークが陰刻されています。
道路
日本道路公団
日本道路公団
撮影:2017年6月 兵庫県姫路市
旧日本道路公団の境界杭。山陽自動車道高架下。
日本道
撮影:2020年11月 兵庫県姫路市
こちらはもう少し深く入っているもの。「日本道」。
姫路市苫編の国道2号バイパス下にて。
姫路バイパスは、平成12年(2000年)12月まで一部有料区間があり、中地ランプから姫路西ランプまでは道路公団が管理していました。
電力
関西電力
関西電力
撮影:2020年12月 兵庫県姫路市
関西電力(株)のコンクリート製境界杭。平地では深く打ちこまれている杭が多く、マークまで見えるのは少ないようです。山の中に行けば別なのでしょうが。
関西電力
撮影:2020年12月 / 2021年1月 兵庫県姫路市
関電マークのプラスチック境界標。変電所(2枚目カメラの後方)から橋の向こうの鉄塔の間に2枚くらい。金属製ではないので割れているのもありました。
この鉄塔は線が上下に走っている変電所用ですね。変電所を通った電力はここから出ているのでしょう。そのために関電が権利を持っていて、境界標があるのでしょう。ただ、橋の下に電力ケーブルはありませんでしたが。
現在は変電所から送電線は出ていませんが、1980年代前半では、送電線が出ていました。今のような仕組みになったのがいつからかはわかりません。
関西電力
撮影:2020年12月 兵庫県姫路市 / 2019年2月 大阪府守口市
1枚目は、上とほぼ同じデザインの金属標。プラ標遠景に写っている鉄塔にありました。いずれも鋲の中心が境界ですね。
2枚目は貼り付けタイプ。
関西電力 / 姫路市
撮影:2020年12月 兵庫県姫路市
鉄塔周辺にありました。1枚目は、ブロック塀の形に合わせためずらしい三角形の金属標。2枚目は少し引いてみました。姫路市プレートとは段差があります。3枚目も、2枚のプレートにはわずかに段差があります。
ここの鉄塔は平成25年(2013年)4月に移設が行われました。金属標設置はそれ以降です。
中国電力
中国電力
殿堂
撮影:2013年5月 岡山県岡山市
中国電力(株)の旧マーク付き境界杭。裏は「中電」。
「中電」は一般的には中部電力の略称ですが、中国地方では中国電力の略称です。
電信電話
日本電信電話公社
撮影:2023年1月 兵庫県姫路市
日本電信電話公社 / 姫路市
撮影:2021年1月 兵庫県姫路市
旧電電公社の境界杭。1枚目は2面に電電マークが入っています。
日本電信電話公社 400 / 85MM / 300MM
撮影:2024年5月 兵庫県姫路市
境界点に杭が打てない場合に、境界点の歩行と距離を示した杭を設置する場合があります。
1枚目は単位がありませんが、矢印の40cm先、現在は歩道になっている場所に境界点があるのでしょう。
日本電信電話(株) / 姫路市
撮影:2021年1月 兵庫県姫路市
もともと上の2枚目の旧電電境界杭があった場所。商業施設が入れ替わり、境界標も交代しました。地主さんは変わらずNTTのようです。
日本電信電話(株)
撮影:2023年2月 兵庫県太子町
ダイナミックループの下にNTTと入るのが正式なロゴマーク。
たばこ
JT / 兵庫県
撮影:2024年5月 兵庫県姫路市
日本たばこ産業(株)関連の敷地にあった境界杭。御影石の杭が使われています。JTよりも専売公社の杭の方が多そうです。
その他団体
宮界
撮影:2018年10月 三重県名張市
宇流冨志禰神社の境界を示す石標。頭には┘形の溝が掘られていました。背後の石灯籠は敷地の外にあるようです。
東(寺)
撮影:2018年4月 京都府京都市
東寺(教王護国寺)の境界杭。かつては背後のグレーの建物は駐車場で、杭が独立していました。その駐車場の隣には「SOWAKA」という、東寺の近隣らしい名前のビルがあったのですが(下参照)、グレービルで見えなくなっていました。
近くの慶賀門前には、「史蹟 教王護国寺境内」という石標が建っていました。
三菱
撮影:2021年2月 兵庫県高砂市
三菱製紙の持つ建物の境界杭。マークが少々頼りないですが、本物の三菱マークです。
中日新聞社 / 国土交通省 用地界
撮影:2019年4月 愛知県名古屋市
中日新聞社のマーク入り。1ページ目の再掲。
敷地内にはマーク入りマンホール蓋もあります。
下は琺瑯看板の中日新聞社社章。
参考文献
- 『姫路城下町 うちまちものがたり』2006年3月 白鷺中学校区地域夢プラン実行委員会
2021年1月24日:ページ作成。2021年2月18日:三菱、地籍調査追加。2022年4月18日:旧郵政省石杭1枚追加。2023年3月22日:境界標再編、分割。山電石杭、阪急、NTT石杭追加。2024年6月14日:工マーク金属杭、工マークコンクリート杭1枚、電電3枚、JT追加。