倉敷考古館の南東側の壁。建物左側の道路に張り出した部分を中心に「なまこ壁」という意匠が施されています。建物の耐火・耐水性向上のため、瓦を貼りその間を漆喰で止めた工法で、盛り上がった漆喰の断面が海鼠のようなので、この名で呼ばれるようになったといわれています。
なまこ壁は岡山や四国ではよく見かけましたし、全国的にも多いものでしょうが、播州では海岸沿いでもほとんど見かけません。ただ、岡山に近づくと、壁の一部になまこ壁をあしらった民家も出てきます。
この壁は「馬乗り張り」という貼り方。シンプルな貼り方なのと、使われている瓦が古く黄色っぽいので、壁全体がなまこ壁の割にくどくないのが良いですね。
倉敷は川沿いの土蔵郡が美しい観光スポットですが、いわゆる美観地区を外れると、土蔵造りの建物がなくなって拍子抜けされる方があるようです。なまこの維持は大変なんですよ。
倉敷川をTVクルーが行く。向かいの日本郷土玩具館に、倉敷窓や倉敷格子という独自の意匠が見られます。
2014年3月 岡山県倉敷市