水道1
上下水道関係のプレートを府県別に再編成しました。「專用」と書かれているような少し古そうなのが中心です。琺瑯プレートはそれほど多くないです。大阪府、京都府、滋賀県、和歌山県内のもの。
大阪府
大阪市
大阪市 水道 專用(琺瑯)
撮影:2005年11月 大阪府大阪市
大阪市上水道は明治25年(1892年)8月起工、明治28年(1895年)10月完成。明治43年(1910年)3月水道メーター取り付け完了。日本で最初に全戸計量システムが導入されました。戦災でメーターが破損しましたが、昭和26年(1951年)12月には計量制が復活しています。
「専用」栓というのは、1世帯だけで使用されている蛇口(給水管)のことで、大阪市でこの名称が使われていたのは昭和40年(1965年)3月までです。
大阪市 水道 專用 / 大阪市 水洗 届証
撮影:2004年10月 大阪府大阪市
おそらく戦後のプレート。材質はアルミのようです。令和元年(2019年)になってもたまに見ますが、色の残っているものはほとんどないです。他の場所でも「水洗」の方が状態がいいですね。
大阪市 水道 專用
撮影:2019年5月 大阪府大阪市
シールの割に使われている文字が古いです。昭和40年(1965年)よりは新しそうに見えますが、古プレートと同じ内容でシールにしたのでしょうか。
專用 水道
撮影:2004年11月 大阪府大阪市
大阪市内にあった水道らしきプレート。セルロイドのようなカバーに文字が書かれています。
池田市
池田市 水道 專用
撮影:2019年2月 大阪府池田市
池田市 水道 專用(シール)
撮影:2019年2月 大阪府池田市
「專用」というのは、個人宅の場合、多くは昭和30年代までのもので、シールはめずらしい。
池田市の上水道事業は、池田町時代の昭和12年(1937年)12月起工、翌13年(1938年)12月通水。池田市は昭和14年(1939年)4月29日誕生。
茨木市
茨木市水道 專用
撮影:2019年4月 大阪府茨木市
茨木市の上水道事業は、昭和2年(1927年)事業認可、昭和4年(1929年)給水開始。
茨木市 屎尿汲取
撮影:2019年4月 大阪府茨木市
茨木市の公共下水道事業は、昭和37年(1962年)10月より事業開始。高度成長期まではトイレは汲み取りだったようです。
汲み取りプレートはまだ残っている地域も結構ありますが、楕円や長方形以外はめずらしいので載せてみました。しかし何の形なんでしょう。トイレのタンクはこんなのではないと思うのですが。
堺市
堺市 水 專用(琺瑯)
撮影:2017年3月/2004年5月 大阪府堺市
大阪府堺市の上水道は明治40年(1907年)起工。明治43年(1910年)4月通水開始。全国でも18番目の早さです。
富田林市
富田林市 水道 專用 富田林市水道課
撮影:2005年2月 大阪府富田林市
富田林市上水道事業は昭和9年(1934年)3月17日創設。
東大阪市
東大阪市 水道
撮影:2019年5月 大阪府東大阪市
アルミプレート。2枚目は最新のシール版。家屋の建て替えに伴いアルミ版も減ってきているようです。
昭和42年(1967年)2月1日、当時の布施市、河内(かわち)市、枚岡(ひらおか)市が合併し東大阪市誕生。「ひ」マークは東大阪市の市章。
東大阪市 排水設備等之検査証
撮影:2019年5月 大阪府東大阪市
あまり撮っていませんが、この類のプレートが各地にあります。東大阪のものは現在はシールになっています。
布施市 水道 專用
撮影:2019年5月 大阪府東大阪市
旧布施市は昭和12年(1937年)4月1日市制施行。創設水道は昭和7年(1932年)3月。このプレートと同じようなデザインで真鍮製と思われるものもまだありますが、傷みが激しくほとんど読めないです。マークは布施市の市章で、市制施行時に制定。
河内市 水道 專用
撮影:2006年5月 大阪府東大阪市
旧河内市は昭和30年(1955年)1月15日市制施行。創設水道は昭和31年(1956年)4月。桁数が少なく、創設間もないころのプレートかもしれません。マークは河内市の市章で、こちらも市制施行時に制定。
河内市 水道 専用
撮影:2019年5月 大阪府東大阪市
「道」は2点しんにょうですが、「專用」ではなく「専用」。桁数が増え少し新しくなりました。
枚方市
枚方市 水道 專用
撮影:2019年2月 大阪府枚方市
枚方市の上水道事業は、枚方町時代の昭和9年(1934年)に給水開始。
旧古市町
古市町 水道 專用(琺瑯)
撮影:2010年4月 大阪府羽曳野市
おそらく旧南河内郡古市町の水道プレート。旧古市町上水道は昭和3年(1928年)5月給水開始。
昭和31年(1956年)9月、古市町など6町が合併、南大阪町発足。昭和34年(1959年)1月、南大阪町が市制施行、南大阪市に。同じ日に改称し羽曳野市に。
箕面市
箕面市 水道 家事用
撮影:2019年2月 大阪府箕面市
家事用なのでそれほど古くはないでしょうか。
箕面市創設上水道は昭和26年(1951年)4月通水。
守口市
守口市? 水道 專用
撮影:2019年2月 大阪府守口市
守口市水道は、守口町時代の大正14年(1925年)2月給水開始。守口市は昭和21年(1946年)11月1日市制施行。
マークは旧市章または守口町章ではないでしょうか。守口市史に市章に関する記述がなかったので確証はないのですが。
守口市 水道 專
撮影:2019年2月 大阪府守口市
現在の市章は、市制施行5周年を記念し昭和26年(1951年)11月に制定。これは現市章をかたどった水道プレート。
守口市 水道
撮影:2019年2月 大阪府守口市
上のプレートの上に次代が貼ってあるもの。これは困る。
守口市 水洗 届証 昭和46年度
撮影:2019年2月 大阪府守口市
下水関係は特に古そうなプレートは見当たりませんでした。これは昭和46年度(1971年度)のもの。シールで読みにくいものがほとんどです。
京都府
京都市
京都市上水道 專用放任(琺瑯)
撮影:2005年1月 京都府京都市
撮影:2019年5月 京都府京都市 京都市上水道 共用計量(琺瑯)
撮影:2019年5月 京都府京都市
京都市上水道は明治40年(1907年)起工。「放任」給水とは1か月定額料金で使い放題のシステム。初期の上水道の料金システムは、メーターの不足などで、一般家庭は使い放題に設定していた自治体が多かったのですが、使わなければ損という意識が働くのか、特に夏場の水不足に悩まされるところも多かったとか。
「共用」栓というのは、アパートや長屋のように、何世帯かで共有されている給水管のことです。共用栓は専用栓よりも早く計量制を導入した自治体があったようです。
京都市上水道 專用 第 號
撮影:2005年1月 / 2004年10月 京都府京都市
1枚目は右横書きです。撮り直そうとストリートビューで確認したら、家が建て直されていました。他にもありますが、どれも傷んでいて読みづらいです。2枚とも緑の錆びが出ているので材質は真鍮でしょうか。
京都市上水道 專用(専用?)
撮影:2005年9月 京都府京都市
アルミプレート。
京都市水道局
撮影:2014年6月 京都府京都市
これもアルミプレート。まだまだたくさんあります。「京都市上下水道局」と書かれた長方形のシールが最新でしょう。
京都市 水洗
撮影:2019年5月 京都府京都市
それほど古くなさそうなアルミプレート。あちこちに普通にあります。下水関係ですが、マークは市章ではなく水道局章ですね。琺瑯版はなかったような。
京都市下水道?(琺瑯)
撮影:2014年6月 京都府京都市
亀の甲羅に「下水」と書いてあるような? ちなみに、亀のように見えるのは、「京」の字をモチーフにした京都市のき章です(現在では略章)。直径4cmくらい。
滋賀県
大津市
大津市 水道 專用
撮影:2019年5月 滋賀県大津市
マークは大津市の旧市章の中央を「水」にしたもの。中央部分は京都市の水道局章に似ていますが、この部分の鋳出された大型量水器の蓋があります。
旧市章は昭和26年(1951)4月1日から、昭和33年9月30日まで使われました。
大津市 水道
撮影:2022年11月 滋賀県大津市
こちらは現在の市章が描かれています。
大津市の上水道事業は、昭和5年(1930年)通水、給水開始。
旧堅田町
堅田町 水道 専
撮影:2022年11月 滋賀県大津市
旧滋賀郡堅田町は、明治34年(1901年)7月20日町制施行。昭和42年(1967年)4月1日、大津市と合併、消滅しました。
和歌山県
和歌山市
和歌山市 水道 特栓(琺瑯)
撮影:2018年3月 和歌山県和歌山市
和歌山市の創設上水道は、大正12年(1923年)3月起工。大正15年(1926年)3月竣工。このプレートは寺院にあったもの。「特栓」がめずらしい。
橋本市
橋本市 水道
撮影:2013年5月 和歌山県橋本市
差し替えられるものなら差し替えたいですが、たぶんもう行かないかと。