路上観察と琺瑯看板、マンホールのふた
お散歩 Photo Album

 
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食料品

ボンカレー

ボンカレー初期型

牛肉・野菜入り 大塚の ボンカレー ヒートパック 大塚食品 撮影:2005年3月
拡大画像(600×850px 85KB)

松山容子さんのボンカレー看板。昭和43年(1968年)2月発売、1個80円。初めてのレトルト食品で、手軽さ、保存性、リーズナブルな値段で大ヒット。平成元年までに43億食を売り上げたそうです。(『昭和家庭史年表』より)
「ヒートパック」はレトルトパウチのこと。のち東洋製罐が「レトルト」の名を使用し一般化したようです。

ボンカレー(シール)(42KB) 「新製品」と書かれています。看板とは表情が違います。ヘアスタイルは中期型に。撮影:2003年7月。

ボンカレー

牛肉・野菜入り 大塚の ボンカレー ヒートパック 大塚食品 撮影:2001年8月

一番おなじみの中期型。松山さん奥様風になりました。初期型の透明レトルトパウチは1年でアルミ製に変更されました。

メーカーは大阪府大阪市中央区大手通三丁目2番27号、大塚食品(株)。
昭和30年(1955年)シービーシー食品工業(株)として設立。昭和39年(1964年)大塚食品工業(株)に、平成元年(1989年)現社名に変更。

ボンカレー

牛肉・野菜入り 大塚の ボンカレー ヒートパック 大塚グループ・大塚食品 47 D T 撮影:2004年2月
拡大画像(600×800px 66KB)

色褪せる後期型ですが、この看板は、すだれがかけられていたせいか、色がよく残っています。大塚の看板は、人物の部分は、近くで見るとシルクスクリーンのメッシュが見えるのですが、これはほどよく退色していて、お肌がきれいに見えます。

ここまで3枚は、壁から突き出しているフランジタイプ(突き出し看板)。

真珠漬

真珠漬

名産 真珠漬 真珠貝柱酒粕漬 製法特許 撮影:2001年10月
拡大画像(58KB)
三重県伊勢市二見町茶屋99-1、(株)真珠漬本舗

真珠漬現パッケージ。ロゴは変わっても○タマークはそのまま。
真珠漬パッケージ

真珠漬
茸貝漬

名産 真珠漬 撮影:2001年11月
茸貝漬 撮影:2001年10月

真珠漬は昭和30年(1955年)発売。
この看板を見るまで、アコヤガイ(真珠貝)が食べられるなんて考えたことはありませんでした。
それでは注文してみましょう。
アコヤガイの貝柱って3センチくらいあるんですね。これはなかなかの歯ごたえ。おつまみに良さそう。

購入のついでにちょっと聞いてみました。
看板が設置されたのは昭和40年代。三重県出身の大相撲の三重ノ海関(後の第57代横綱)にモデルになってもらい、売り出したのだとか。

その後「名産」の2文字が外れ、パッケージも変わり、上の看板のようなサンプルは、会社にも残っていないのではないかとも。
「茸貝漬」は随分前に作られていたそうですが、現在は製造しておられないそうです。

真珠漬

名産 真珠漬 伊勢に七度紀州へ五度 撮影:2002年4月
拡大画像(84KB)

「伊勢に七度紀州に五度」が3分割で、しかも、文字の途中で分割してあるもの。左の赤三角と併せて矢印になっています。

確認はしていませんが、「真珠漬」と「伊勢に七度……」はペアで、「伊勢や紀州に来てね。おみやげは真珠漬をよろしくね」という意味ではないでしょうか。真珠漬本舗の営業所は和歌山県にもありますし。京都あたりでは江戸時代には「伊勢は七度、熊野は三度、愛宕参りは月参り」と言われたようです。一生に7回は伊勢参りに行こうということですが、それのパロディでは?

「伊勢の赤福」や「伊東に行くならハトヤ」のように、単に品物だけ宣伝するよりも、地名とセットにした方が覚えてもらいやすい気がします。毎日眺めていると、伊勢に行って真珠漬でも買ってくるかという気になるかも。

そしてこの看板の楽しいところは、「伊勢に七度紀州に五度」が矢印になっているところです。向いているのは当然伊勢の方向。赤の三角形ももちろん琺瑯製。無地の琺瑯看板って他にあるでしょうか?

真珠漬

名産 真珠漬 伊勢に七度紀州へ五度 撮影:2009年3月
拡大画像(40KB)

こちらは「伊勢に七度紀州に五度」が2分割のもの。「真珠漬」も、一文字看板と2枚で一文字のものがあります。目立つ建物でしたが、看板はなくなりました。

真珠漬
真珠漬
真珠漬

名産 真珠漬
撮影:2010年11月

名産 真珠漬
撮影:2010年11月

名産 真珠漬 さざえしょうゆ漬
撮影:2010年11月

養肝漬

上の真珠漬屋敷の近くにあった、伊賀名物養肝漬のトタン看板。まだ新しそう。
撮影:2010年11月

その他食料品

ニッポンハムベンチ広告

おいしいものをおいしくたべよう ニッポンハム(ベンチ広告)
撮影:2005年11月

大阪府大阪市北区梅田二丁目4番9号 ブリーゼタワー、日本ハム(株)
ベンチに取り付けられていた金属プレート。これは琺瑯製ではありません。

昭和18年(1943年)徳島県徳島市で創業。昭和26年(1951年)株式会社に改組。昭和38年(1963年)、合併により日本ハム(株)に社名変更。本社も大阪市に移転。

SMC缶詰

SMC缶詰 撮影:2002年9月
拡大画像(40KB)

静岡県静岡市(旧清水市)にあった清水水産(株)の看板らしいです。清水水産(株)は昭和30年代は、静岡県清水市富士見町2-13にありました。

のり佃煮

カゴメののり佃煮 撮影:2001年12月

愛知県名古屋市中区錦三丁目14番15号、カゴメ(株)
創業明治32年(1899年)の、ソースやケチャップでおなじみの食品メーカー。佃煮も作っていたのですね。

カゴメのトレードマークですが、大正6年(1917年)、当時の陸軍と同じ五芒星(安倍晴明判)にしようとしたらダメで六芒星にしたとか。これはこれでインパクトがあります。昭和38年(1963年)よりトマトマーク、そして昭和58(1983年)年より「KAGOME」です。

かねてつ

かねてつ 撮影:2002年9月
拡大画像(39KB)

兵庫県神戸市東灘区向洋町西五丁目8番地、カネテツデリカフーズ(株)
大正15年(1926年)3月、西宮市で創業。昭和23年(1948年)10月かねてつ蒲鉾(株)設立。「かねてつ」の社名は、創業者の村上鉄雄・カナメ夫妻の「てつ」・「カナ」の名をを合わせて作ったものだとか。
平成2年(1990年)より、全製品の合成保存料無添加を実施しています。
関西の方にはCMでもおなじみ。てっちゃんの顔がレトロでいいですね。

純正クロレラ

純正クロレラ 発売元 三井物産(株) 製造元 クロレラ工業(株)
撮影:2009年3月

東京都千代田区大手町一丁目3番1号、(登記上本店は丸の内一丁目1番3号)、三井物産(株)
東京都港区浜松町一丁目18番16号 住友浜松町ビル、クロレラ工業(株)

クロレラ工業(株)は昭和39年(1964年)設立。看板のマークは同社のもの。製品がクロレラ工業製造、三井物産発売という体制は今でも変わりません。

穀物など

ポリライス

ビタミン強化白米 ポリライス POLY-RICE
撮影:2005年5月

大阪府大阪市中央区道修町四丁目1番1号の武田薬品工業(株)の製品でした。ビタミン強化米はのちに発売した新玄の方が出回っていますが、こちらは現在は他社製造です。

白麦米

人形印 ビタバァレー 白麦米 撮影:2003年2月
拡大画像(40KB)

人形印の白麦米は三重白麦(株)の製品だったようです。三重白麦(株)は昭和34年(1959年)ごろは三重県津市土浜町4-50にありました。

「白麦米」は押麦のように黒い線の入らない麦で、山梨県の(株)はくばくが開発。ビタバァレーはビタミンB1・B2強化麦のことです。

光麦

おいしい 光麦 販売店
撮影:2003年5月

昭和35年(1960年)ごろ、大阪市西淀川区竹島町4-39にあった光麦(株)の看板のようです。商工名録によると昭和30年(1955年)創業とのこと。光麦は白麦米同様、黒い線が入っていない商品でした。

ニップン

優良小麦粉 ニップン 日本製粉販売店
撮影:2006年4月

東京都千代田区麹町4-8、日本製粉(株)
明治12年(1879年)創業。明治29年(1896年)12月株式会社設立。オーマイパスタ等でおなじみののメーカーです。かつては旧鈴木商店系の企業だったようです。

○徳きな粉

天下のかをり ○徳きな粉  
撮影:2005年8月

飾り看板。

登録米穀店_岡山県

登録米穀店 岡山県
撮影:2003年7月 岡山県

登録米穀店の證_和歌山県

登録米穀店の證 和歌山県
撮影:2014年5月 和歌山県

三重県知事登録認可米穀登録販売店

三重県知事登録認可 米穀登録販売店
撮影:2007年4月 三重県

知事許可販売店 知事許可販売店

おこめ 知事許可販売店
撮影:2001年11月 兵庫県

これは琺瑯製ではありません。2枚目は同じデザインの看板で、今まで見た中で最大のもの。一辺2m以上はありそう。

強化米指定販売店 米穀商

農林省厚生省 推奨 強化米 指定販売店 兵庫縣(兵庫県)食糧栄養改善協会
撮影:2001年11月 兵庫県

兵庫縣(兵庫県)米穀商 連合会加盟店
撮影:2001年11月 兵庫県

大阪府米穀小売商連合会会員之章 南桑田郡米穀商組合員

大阪府米穀小売商連合会会員之章
撮影:2019年2月 大阪府
表札くらいの大きさの看板ですが、字が読みづらいので少し大きくしました。

南桑田郡米穀商組合員
撮影:2015年3月 京都府亀岡市
昭和30年(1955年)1月1日、南桑田郡亀岡町は近隣の15村と合併、亀岡市が誕生しています。

倉敷地方食料品同業組合員之証 大和穀物同業組合 組合員之章 磯城東部(青果販)賣商組合 三重縣公認 青果小賣店 登録

倉敷地方食料品同業組合員之証
撮影:2014年3月

大和穀物同業組合 組合員之章
撮影:2008年4月

磯城東部(青果販)賣商組合
撮影:2004年10月 奈良県桜井市
桜井市三輪が磯城郡であったのは、明治30年(1897年)4月1日から昭和43年(1968年)3月31日までのこと。

三重縣公認 青果小賣店 登録
撮影:2018年10月

番外編:トタン看板、合成樹脂看板

みすゞ豆腐

味の素マヨネーズ

S&Bゴールデンカレー

みすゞ豆腐
現在(株)みすずコーポレーションとなっている、旧(株)みすゞ豆腐の製品です。現社名になったのが平成4年(1992年)。1980年代ごろの看板でしょうか。実家がこの商品を買っていました。

味の素マヨネーズ
昭和43年(1968年)3月発売。提携していたコーンプロダクツ社のブランド名「Best Foods」も記載されています。これは同社が合併した、マヨネーズなどのメーカーだったベスト・フーヅ社に由来するものです。

S&Bゴールデンカレー
カレールーは調味料ですが、このページに入れています。昭和41年(1966年)発売。かつては「curry」が小文字でした。

これらは食料品店入口のトタン看板。テントの下で撮影しにくかったですが、退色が少なく、トタンにしてはいい状態でした。2012年にこの前を通ったら、テントがなくなっていて痛みかけていました。

撮影はいずれも2003年1月、兵庫県姫路市。現在この建物はありません。

米の看板?  米屋の看板

お米屋さんにあった看板。左上は米っぽいデザイン。天使のホルンも何かのマークなのでしょうがよくわかりません。
撮影:2014年9月 広島県

2枚目は広島県内の米屋さんにて。ここにもあります。ちなみに右上はグリコ牛乳の看板。
撮影:2009年3月 広島県

参考文献

  • 『全国工場通覧 1960年版』昭和34年11月10日 通商産業省編 日刊工業新聞社
  • 『昭和家庭史年表』家庭総合研究会編 1990年7月20日 河出書房新社
  • 『大阪商工名録 昭和35年版』昭和35年5月25日 大阪商工会議所
  • 『神戸の中堅150社』日本経済新聞神戸支社編 昭和57年2月22日

2008年11月25日:ニッポンハムベンチ、ニップン、三重県米穀登録販売店追加。2009年11月27日:純正クロレラ追加。2011年2月19日:真珠漬3枚、ハウスカレー追加。2015年6月22日:登録米穀店和歌山、南桑田郡米穀商組合員追加。2018年4月10日:倉敷地方食料品同業組合員之証、大和穀物同業組合会員2から引っ越し。2019年2月16日:三重縣公認 青果小賣店追加、差し替えあり。2020年11月20日:大阪府米穀小売商連合会会員之章追加。2022年9月19日:きな粉追加。

(2022年10月30日更新)