鋳造メーカーパターン
な行1
ナカ工業
ナカ工業(フロアハッチ)
撮影:2017年3月 兵庫県姫路市
東京都台東区東上野2-18-10(日本生命上野ビル3F)、ナカ工業(株)
昭和7年(1932年)4月15日創業、昭和34年(1959年)4月17日設立。
化粧蓋なのでパターンはないですが、名前入りなのでおまけ掲載。
長島鋳物
亀岡市 汚水 中-500 長島鋳物
撮影:2015年3月 京都府亀岡市
埼玉県川口市仲町2番19号、長島鋳物(株)
全国の自治体などの蓋を手がける東日本の有名メーカー。昭和20年(1945年)8月創業。昭和32年(1957年)6月株式会社設立。下はトレードマークのエヌイチマーク。
(2枚目)水 仕切弁
撮影:2014年12月 兵庫県尼崎市
同じパターンの蓋。阪神水道関連と思われます。阪神水道事業団の蓋は、独占ではないかと思われるほど長島パターンの蓋が多いです。
神戸市 おすい 2014 T-14 長島鋳物
撮影:2015年12月 兵庫県神戸市
ASPSというスリップ防止仕様の鉄蓋と思われます。
よしなが おすい 撮影:2008年4月 岡山県備前市
くまやま 25 撮影:2012年5月 岡山県赤磐市
かめやま おすい 撮影:2017年4月 三重県亀山市
かつては自治体の蓋にメーカーのマークを見ることはまずなかったので、これらの蓋が長島製というのは確定ではありませんが、長島蓋らしいパターンということでこの3枚を掲載しました。
長島蓋は蝶番部分の舌のような形と窪みに特徴があります。あと、子蓋の下部のバール穴部分が困った顔をしていることがよくあります。
射水上水道企業団 消火栓
撮影:2016年10月 富山県射水市
テトラポット風のデザインを滑り止めに採用。
犬山市 防火水槽
撮影:2016年4月 愛知県犬山市
周囲の「火」のようなデザインに特徴あり。
射水上水道企業団 仕切弁
撮影:2016年10月 富山県射水市
サイトにある仕切弁筺にデザインが似ています。
亀岡市 汚水
撮影:2015年3月 京都府亀岡市
最新パターンではありませんが、長島デザインの蓋が多く採用されている自治体に右のようなパターンの蓋が見られます。この蓋が長島製造かどうかは分かりません。
自治体名も用途もない全くの無印蓋。
かごを編んだようなパターンと三角形の組み合わせは長島蓋ぽい。
撮影:2019年5月 岡山県高梁市
南濃鋳工
兵庫県 NANNŌ FOUNDRY
撮影:2015年7月 兵庫県加古川市
オーソドックスな長方形パターン。
NANNŌ FOUNDRY
撮影:2016年2月 兵庫県相生市
昭和29年(1954年)建設の相生市民会館にて。ありがちな亀甲パターンですが、日之出などのパターンよりは線が細いです。
NANNO FOUNDRYの表記もあり。こちらの方が新しいか。
撮影:2015年4月 三重県津市
昭和48年(1973年)営業開始の津駅ビルチャムにて。
愛知県名古屋市にあった南濃鋳工(株)の蓋と思われます。
下は『日本上下水道総覧』の水道用鋳鉄異形管工業会の広告より。
異形管の鋳出しマークは少しスタイリッシュな感じですが、蓋の方はシンプルなHBですね。HBは経営者の日比さんに由来するのでしょう。
止水弁 STOPVALVE NANNŌ FOUNDRY
撮影:2016年5月 石川県金沢市
一般的な止水栓よりは大きい(300くらい?)。蝶番部分にマーク入り。
散水栓 NANNO CHUKO
撮影:2016年5月 石川県金沢市
めずらしく「CHUKO」と入っているもの。
名古屋商工名鑑昭和48年版と52年版によると、昭和48年(1973年)ごろは(株)南濃鋳工所、昭和52年(1977年)ごろは南濃鋳工(株)として、名古屋市中区の別の場所にありました。創業年はそれぞれ昭和20年(1945年)と30年(1955年)になっていますが、これは昭和20年の方が個人創業、30年の方は会社設立なのかもしれません。
昭和46年版には記載がありませんでした。社名が「南濃」なので、岐阜県南部の出身で、まだ名古屋に進出していなかったのではないでしょうか。1980年代は中区金山や岐阜県養老町に工場がありました。
アーカイブサイトで愛知県鋳物工業協同組合のページを見ると、平成16年(2004年)まで名簿に載っています。養老工場の跡地に養老ドリームパークの建設が始まったのが平成18年(2006年)3月末なので、2000年代半ばごろまでの操業でしょうか。
南濃鋳工がのちにどのような蓋を作っていたのかは全くわかりませんが、分布状況から見て左のパターンが怪しいような気がするのですが。
ニッコー
防水蓋 ニッコー
撮影:2014年7月 兵庫県姫路市
駅前にあった防水蓋。新幹線開通時からあるなら昭和40年代の蓋になります。鍋蓋のように盛り上がっていて危なそうでした。油槽の蓋だったのでしょうか。現在は北勢工業の蓋に替わっています。カタカナのロゴは味がありますね。大阪市でも確認。
メーカー詳細不明。メーカーかどうかもわかりませんが、浄化槽のニッコーではないんでしょうね。
【2021年6月28日追記】ブロガーの馬明さんよりご連絡いただきました。日本興業(株)というメーカーのようです。情報ありがとうございました。
防臭蓋 NIKKO
撮影:2015年9月 兵庫県姫路市
こちらは平べったい防臭蓋。卸売市場という条件の悪い場所にあるせいか錆び錆びボロボロで、防臭になっているのかどうか心配です。市場竣工時からの蓋なら昭和32年(1957年)ごろのものになります。
ニッコー機工
NIKKO KIKO KK
撮影:2015年9月 大阪府大阪市
○Nマーク入りの600くらいの蓋。普通の長方形パターン。1970年代の雰囲気があります。
ニッコー機工 35
撮影:2014年12月 兵庫県尼崎市
平織りパターンの蓋。
ニッコー機工 18
撮影:2015年9月 大阪府大阪市
汚水枡の小蓋。正方形パターンの感じが左の2枚よりも古そうです。
大阪府大阪市港区市岡元町一丁目8-7にあったニッコー機工(株)の蓋と思われます。商工会議所名簿によると、同社は昭和21年(1946年)創業。
○Nマークは現在は日本鋳鉄管が使っていますが、関西の古めの蓋はニッコー機工製でいいのではないでしょうか。平成7年(1995年)ごろの日本鋳鉄管の鋳出しマークは○NCKでした。
電話 NIKKOKIKO. K.K NFB-600
撮影:2016年12月 兵庫県西宮市
二の字パターン。ニッコーの「ニ」?
「電話」の文字が右上がりの明朝体できれいですね。
NIKKO.KIKO.600 特製
撮影:2018年3月 和歌山県和歌山市
社名のローマ字がつめつめ。
ニットー
NITTO 2530
撮影:2014年9月 兵庫県姫路市
プラ汚水蓋。NITTOの詳細はわかりません。メーカーではないかも? 下の日東工業とは違うと思うんですけどね。可能性があるのは関東のメーカー日東電気(株)ですが。
日東工業
NITTO INDUSTORIES CO. LTD 0.5 NMHB-400(日東工業マーク付き)
撮影:2017年2月 兵庫県高砂市
NITTO
撮影:2014年7月 兵庫県姫路市
大阪府大阪市中央区備後町二丁目1番1号、日東工業(株)
明治18年(1885年)創業。昭和14年(1939年)日東精工(株)設立。広島県呉市川尻町に工場があります。
蓋のパターンは縦線の列と横線の列が交互になったもので、少なくとも大阪・京都府下、兵庫県下では割と見ることができます。大阪府豊中市には、このパターンで市章入りの汚水枡の蓋があります。
鋳出し文字はフル社名、NITTOのみ、型番・大きさのみ、大きさのみといろいろで、小型の場合は無地もあります。マーク入りの蓋はあまり見ないですね。
散水栓 B-3 B NITTO CO.LTD
撮影:2014年7月 兵庫県姫路市
普通の煉瓦積みパターンで、社名がなければ日東の蓋とは気づかなかったでしょう。
撒水栓 NITTO INDUSTRIAL CO.LTD
撮影:2014年7月 兵庫県姫路市
こちらはNITTO INDUSTRIALと鋳出してあるもの。「撒」水栓なので少し古いでしょうか。
止水弁 NITTO CO.LTD
撮影:2015年12月 兵庫県神戸市
同じデザインで社名部分が「NITTO」のみの蓋がメリケンパークにありました。これもきわめて普通のパターンですね。
NITTO INDVSTRIES CO.LTD 360×400
撮影:2018年9月 兵庫県神戸市
上と同じ格子パターンの360の汚水蓋。格子蓋はどこにでも見られるものですが、日東工業蓋では少ない方です。名前が「INDVSTRIES」になっていますが、まあご愛敬でしょう。
参考文献
- 『全国工場通覧 1982年版』昭和57年3月30日 日刊工業新聞社
- 『日本上下水道総覧 1978年版』昭和52年10月1日 日本水道新聞社
- 『1978年版 会員名簿』昭和53年7月1日 大阪商工会議所
- 『名古屋市商工名鑑 昭和48年版』昭和48年1月1日 名古屋商工会議所
- 『名古屋市商工名鑑 昭和52年版』昭和52年3月25日 名古屋商工会議所
2017年2月4日:ページ新設。2018年10月12日:ナカ工業、ニッコー、日東工業1枚追加。2018年11月16日:長島1枚、ニットー、日東工業1枚追加。2021年6月28日:ニッコー記述修正。2023年10月20日:長島?、ニッコー機工1枚追加。