鋳造メーカーパターン
な行2
日豊金属工業
宇多津町 汚水
撮影:2018年3月 香川県宇多津町
小さい六角形の周囲をテトラ6個が囲み六角形の模様を作り連結しているパターン。駅からマンホールさんの日豊金属工業株式会社のページによると、日豊金属工業(株)のパターンのようです。この蓋は受枠の模様はないので、日豊関連のメーカー製かもしれません。日豊金属工業は本社は東京で、1980年代には、成田製造所が成田市新泉の野毛平工業団地にありました。
関西では羽曳野市にたくさんありましたが、他の自治体では見ないです。
宇多津町 汚水
撮影:2018年3月 香川県宇多津町
前述の駅からマンホールさんの日豊金属工業株式会社のページによると、JIS蓋の孔の部分の一番上が四角になっているのも日豊蓋であろうとのこと。ただしこの蓋は受枠のデザインが日豊の一般的なものとは違うので、関連メーカーの鋳造かも。
大津市 空気弁
撮影:2016年3月 滋賀県大津市
広島市水道局 消火栓
撮影:2016年4月 広島県広島市
平成19年(2007年)5月発行の日本下水道協会の認定工場一覧(平成19年4月1日現在)には、「鋳鉄製ふた(54工場)」として「日豊金属興業(株) (資)中村鋳造所 本社」という記述がありました。平成28年(2016年)発行の新資料には記載はありません。
日豊金属興業は日豊金属工業の製品を扱う商社でしたが、両社とも平成14年(2002年)2月自己破産とのこと。中村鋳造所は12年後の平成26年(2014年)7月破産、同系のミエグレは現在も操業。
大津市空気弁は、青い部分のデザインがコンクリートメーカーのようです。蓋の真ん中のパターンは、駅からマンホールさんのページでは、日豊の頭文字Nパターンではないかとのこと。ただ、日豊がなくなってからとおぼしき新しい蓋も多く、中村鋳造所などの関係メーカーの鋳造、もしくは市の仕様かもしれません。
広島市消火栓は、周囲に雨だれの模様が入っています。最近の水道蓋は同じデザインで、市の仕様になっているのではないでしょうか。このデザインの親子蓋で日之出仕様のものもありました。
二宮産業
電気 ニノミヤ HC-300
撮影:2015年12月 広島県広島市
広島県広島市安佐北区可部二丁目39番18号にあった二宮産業(株)の蓋。明治6年(1873年)創業。
アーカイブサイトにはまだ二宮産業サイトの一部が保存されています。○に二つ引きの家紋のようなトレードマークは、最後まで使っていたようですね。
平成19年(2007年)5月発行の日本下水道協会の認定工場一覧(平成19年4月1日現在)には、「鋳鉄製ふた(54工場)」として「二宮産業(株) (株)ニノミヤメタル 江津 島根県江津市」という記述がありました。平成28年(2016年)発行の新資料には記載はありません。広島商工名鑑には2007年版まで掲載されています。
汚水枡 NINOMIYA. SANGYO. CO. LTD MAK-600
撮影:2015年12月 広島県広島市
社名が英語表記になりました。パターンはオーソドックスな格子。
製造子会社の(株)ニノミヤメタルは、イーグルハイキャスト(株)概要(PDF、リンク切れ)によると、平成2年(1990年)9月設立。平成20年(2008年)2月、資本異動で親会社がイーグル工業(株)になり、新ニノミヤメタル(株)に社名変更。平成23年(2011年)5月、イーグルハイキャスト(株)に社名変更。
イーグルハイキャスト(株)からの報告文書(PDF、リンク切れ)には、工場建て替え後の平成27年(2015年)4月より「イーグル工業(株)グループ企業への鋳物製品供給に特化し」とあります。鉄蓋を製造していたのは、旧工場が操業していた平成26年(2014年)4月までのことのようです。
なおこの資料に「築43年を経過」とありますが、島根県江津市浅利町36のイーグルハイキャスト江津工場は、1980年代までは、大阪市にあった日本鉄鋼(株)の島根工場でした。
広島市 電気 ニノミヤ DH-600
撮影:2015年12月 広島県広島市
「広島市」と入ったものも多数あります。電気の他設備蓋も多いですね。○二マークの蓋は平織りパターンが多いようです。広島城周辺にて。
電話 NINOMIYA SANNGYO.CO.LTD DNB-600C
撮影:2015年12月 広島県広島市
こちらも広島城周辺で撮影。コンクリート製の縁に模様が刻印されているもの、刻印部分にコンクリートのようなものが流し込まれているものがよく見られました。
有線
撮影:2018年5月 島根県松江市
アーカイブサイトの営業課のページに載っているNDシリーズの画像とこの蓋は、受枠のトラス模様や蝶番部分のデザインが似ています。このような受枠の蓋は、中国地方や九州などにあるようです。バール穴部分も特徴ありますね。
日本鋳工
神戸市 日本鋳工 1999(グレーチング)
撮影:2015年12月 兵庫県神戸市
「ニコー」の旧ロゴ入りグレーチング。単なるグレーチングでパターンというものではないですが。
公式サイトに「2007 9.5 日本鋳工 ホームページ リニューアル」とあったので、このときにのちのロゴマークに変更されたのでしょう。
三重県桑名市大字東金井字掛樋606番地の1、日本鋳工(株)
同社は令和元年(2019年)7月破産手続開始。
日本鋳工の従来からのパターンは下の画像のようなものでした。ただ、この蓋は日之出製ではないかと思われます。他にも類似パターンを採用しているメーカーがあります。
近年は消火栓などに別パターン、ノンスリップタイプIY-IV型の丸いパターンもありました。
撮影:2015年4月 兵庫県波賀町
日本鋳鉄管
東京ガス
撮影:2013年12月 東京都台東区
国土交通省 J-BOX
撮影:2014年10月 三重県亀山市
埼玉県久喜市菖蒲町昭和沼一番地、日本鋳鉄管(株)
昭和12年(1937年)10月、東洋精機(株)として設立。昭和35年(1960年)より現社名。
日本ピット
日本ピット
撮影:2016年12月 広島県広島市
大分県大分市大字下郡3260番地の9、(株)日本ピット
昭和43年(1968年)6月創業。昭和48年(1973年)12月株式会社設立。
化粧蓋で一般的な滑り止めパターンではありませんが、名前入り蓋なので掲載。
ニムラ
NIMURA FOUNDRY NCH-1-750
撮影:2015年5月 石川県金沢市
東京都 電気 NIMURA FOUNDRY NCH-1-450
撮影:2013年12月 東京都千代田区
三重県桑名市多度町香取532番地、(株)ニムラ
大正3年(1914年)8月個人創業。昭和35年(1960年)10月改組。現社名は昭和63年(1988年)9月より。
縦線の太い段と普通の段が交互になっている煉瓦積みのようなパターン。
湯浅町(下水)
撮影:2018年3月 和歌山県湯浅町
リボンのようなパターン。ニムラのカタログのNPZタイプのようです。
ニムラ(御影石ふう化粧蓋)
撮影:2015年6月 兵庫県姫路市
ニムラ VE2D-600(グレーチング)
撮影:2015年4月 三重県桑名市
ロゴ入りの蓋。ニムラはグレーチング製造も多いようです。
参考文献
- 『全国工場通覧 1982年版』昭和57年3月30日 日刊工業新聞社
- 『広島商工名鑑 2007』平成19年8月 広島商工会議所
2017年2月22日:ページ新設。2018年10月12日:日豊金属工業、二宮産業1枚追加。2020年1月5日:記述修正。2021年6月30日:記述修正。2023年10月23日:ニムラ1枚追加。