播但線寺前駅の元旅館だった建物。5年ほど行っていませんが、現在はラーメン店になっているようです。壁の鏝絵(こてえ)は、年数が経って窪みの部分にわずかに色が残っているだけですが、描かれた当初は鮮やかだったはず。
鏝絵は鏝を使って漆喰で描いた絵で、左官職人が感謝を込めてサービスで描いてくれた場合が多いとか。始まりは江戸後期だそうです。絵のテーマは七福神、松竹梅などのおめでたいものや、この鏝絵のような花鳥風月が中心でした。
以前姫路市のイベントで、壁の漆喰塗をやったことがありました。材料の布海苔のためだと思うのですが、漆喰にとても粘り気があり、気を抜くと鏝が壁に張り付き漆喰がよれてしまいます。平面的な壁でも楽に塗れないのですから、鏝絵を作るのは相当な技術が必要なのでしょう。
2002年5月 兵庫県神河町