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神社のありがたい木札

神社にあったありがたい木札。


神社のありがたい木札、「支」

右上には、「人は皆 支えられたり 支えたり」とありました。人という字は、人と人が支え合っていると言われもしますが、これは藤岡藤巻によると、「大きいほうが小さいほうによっかかって」いるのだそうです。社会では大きく強い者の方が有利、ということでしょうか。

漢和辞典によると、「人が立っているところを横から見た形」だそうです。

人が立っていられるというのは、物理的にも社会的にも、さまざまなバランスが関係しているようです。体の中のいろんな筋肉のバランス、肉体と精神のバランス、そしてこの札の言ってるような、支え支えられるという他人との関係も。

社会のどこかで生きている以上、積極的にかかわらなくても、どこかで他の人と関係を持っている――人類がここまで増えたのは、その知恵だけではなく、助け合う社会を作り上げたことも大きいのではないかと思います。


神社のありがたい木札、「笑」

さらに、左下には「人なごむ ありがとうに 笑顔を そえて」とありました。

この顔はかわいいですね。男性でもこんな顔で笑う人がいますね。そういえば柔軟剤のハミングフレア(黄色)は動物の笑顔パッケージですが、DSやホームセンターで見かけるとつい買ってしまう……。笑顔の力は偉大です。

「笑」という字は竹かんむりですが、これは、竹が風でしなる様子に、人がおなかを抱えて笑う様子を見たとか(他説あり)。他の植物ではなくて竹というのが、竹の性質をよく知っている中国らしい発想でしょう。

さて――、

その紀元前の中国に西施という女性がいました。敵方から捧げられたこの超美人に、王様は政治そっちのけで西施ちゃんめちゃ好き状態になってしまい、のちに国が傾く原因になったとも言われています。

この西施、持病があって、ときどき胸を押さえ眉をひそめて、苦しそうにしていたそうです。そのはかなげな姿は、西施の美貌をいっそう引き立てていたとか。が、西施のこの仕草を不細工な女性が真似て、恐ろしすぎて村中迷惑阿鼻叫喚(西施捧心という話)。

苦しそうに顔をしかめるのが似合うのは美人限定の話で、凡顔の人は愛想良くしているのが一番でしょう。もちろん、ニコニコしている美人が最強なのは言うまでもないことでして、美人の自覚のある皆様におかれましては、できるだけ無愛想にしていただけますと、その他大勢の人のためになろうかと思いますので、ぜひとも、よろしくお願い致します。世の中には「美人に叱られたい♡」という殿方もおられるようなので、そのあたりのニーズとも合致してよろしいのではないかと。

2008年9月 大阪府枚方市

(2010年5月29作成)