路上観察と琺瑯看板、マンホールのふた
お散歩 Photo Album

 
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燃料関係

練炭

ニッサン練炭

練炭.豆炭.炭団 ニッサン 岡山日産練炭株式会社
撮影:2003年6月

看板の「岡山日産練炭株式会社」というのは、昭和27年(1952年)10月、日産練炭(株)に合併された岡山日産練炭(株)のことでしょう。昭和30年代後半に、日産練炭(株)の岡山工場が岡山市大供厚生町3-37にあります。

日産練炭(株)は昭和8年(1933年)3月創業。昭和12年(1937年)日産化学工業(株)の子会社になり、昭和23年(1948年)日産練炭(株)として独立しています。

十全の豆炭

十全の豆炭 十全特撰練炭
撮影:2003年6月

大阪府大阪市大正区南恩加島四丁目3-39、(株)十全商会
大正11年(1922年)9月、大阪市港区で設立。昭和6年(1931年)10月、大正区南恩加島に移転。練炭メーカーでは一番メジャーなのではないでしょうか。

品川豆炭

品川豆炭 特約店
撮影:2010年4月

植木鉢が乗っていますが、そのマークは品川豆炭ですね。
昭和35年5月21日の毎日新聞の広告に、「新マークの発表」として、この看板のマークが載っています。広告主は品川区東品川3-12の品川燃料(株)。現在のシナネン(株)のようです。住所は東京都港区海岸一丁目4番22号。

シナネンは、同社サイトによると昭和2年(1927年)創業。2年後煉炭の製造販売を開始。昭和9年(1934年)4月、品川豆炭(株)設立。豆炭の製造販売の開始はこのときのようです。昭和11年(1936年)5月、品川燃料(株)に、平成10年(1998年)4月現在の社名に変更。看板のトレードマークは平成元年(1989年)2月に変更されています。

イカリ練炭

練炭の元祖 イカリ練炭
撮影:2003年6月

エスビー炭

京阪練炭 風呂用 エスビー炭 指定販売店
撮影:2008年12月

京都府京都市中京区西ノ京内畑町34番地、(株)ケイハン

昭和21年(1946年)11月京阪練炭(株)設立。昭和35年(1960年)5月京阪練炭工業(株)に、昭和62年(1987年)11月(株)ケイハンに社名変更。

このトレードマークは2022年現在も使われています。

オイル・灯油

Mobiloil

Mobiloil 推薦油一覧表を貴下の指針に GARGOYLE  
撮影:2022年11月
イラスト拡大画像(72KB)

東京都千代田区大手町一丁目1番2号 大手門タワー・ENEOSビル、ENEOS(株)

1870年、日本の明治2年、アメリカでスタンダード・オイル社が設立されます。のちに巨大化したため、34社に分社。そのうちの1社がヴァキューム・オイル社。同社は同じく分社化の1社であるソコニー社と昭和6年(1931年)合併、ソコニー・バキューム社となります。

缶の一番下には「MANUFACTURED BY VACUUMOIL COMPANY,INC., A SOCONY-VACUUM CORPORATION」とあります。ソコニー・バキューム社時代の看板になるのでしょう。

検索すると同じデザインの英語版があり、それはヴァキューム・オイル時代のものでした。ソコニー・バキュームになると赤ペガサスのブランドマークが付くことが多かったようです。この看板は合併から間もないころのものではないでしょうか。

モービル灯油

モービル灯油
撮影:2006年4月

昭和30年(1955年)4月、ソコニー・モービル・オイルに、昭和41年(1966年)5月、モービル・オイルに社名変更。

平成11年(1999年)11月30日、同じ起源を持つエクソン社と合併、世界最大の石油会社であるエクソンモービル社が誕生しました。日本での元売会社は、下で述べる変遷を経てENEOS(株)となっています。

有名企業 社名とマークの秘密』P98、99によると、馬が左向きでブランド名が「Mobil」だったのは昭和30年代。昭和40年(1965年)には馬は右向きになっています。

モービル灯油給油機

モービル灯油給油機?
上の灯油看板の近くにあったもの。給油機と思われます。メーターが針式ですが相当古いですね。

アナログでも、数字が書かれたパネルが次々変わっていくのしか見たことないような。

モービルペガサス
モービルペガサス

モービルペガサス
撮影:2013年9月

トレードマークの赤い天馬、Mobil Pegasusの金属看板。

モービル社の日本法人については、WikipediaのEMGマーケティングが詳しいです。

米法人の横浜支社が設立されたのは明治17年(1884年)。昭和36年(1961年)12月、モービル石油(株)設立。有限会社に改組後、平成14年(2002年)6月1日、4社合併でエクソンモービル(有)設立。

平成24年(2012年)5月21日、EMGマーケティング合同会社に改称、改組。同社は平成29年(2017年)1月1日、東燃ゼネラル石油(株)に吸収され解散となりました。

東燃ゼネラルは平成22年(2010年)4月1日、日石などの流れをくむJX日鉱日石エネルギー(株)と合併、JXTGエネルギー(株)となります。

令和元年(2019年)7月1日、JXTGエネルギーは、これまで展開してしてきた旧東燃ゼネラルのEsso・Mobil・ゼネラルの3ブランドをENEOSに統一。令和2年(2020年)ENEOS(株)に社名変更。

石油元売会社の変遷は、ENEOSの資料日本の石油元売会社の再編動向が参考になります。'80年代前半まではいろんな石油会社があったんですね。この資料の中の「ジャパンエナジー」は、JOMOブランドを展開していた企業です。

というわけで、そのへんのガソリンスタンドは、たまに出光とコスモ、残りはENEOSという感じ。石油会社の看板はいろいろあって好きだったんですけど、まあ仕方ないですね。スタンド自体も法改正で減っていますしね。

丸善灯油

丸善灯油
撮影:2009年3月

東京都港区芝浦一丁目1番1号 浜松町ビルディング、コスモ石油(株)

旧丸善石油(株)の合成樹脂看板。ツバメマークもほとんど見られなくなりました。

明治40年(1907年)5月業務開始した丸善礦油部に端を発し、昭和8年(1933年)11月8日丸善石油(株)設立。

昭和59年(1984年)4月1日石油精製部門を分社化、大協石油(株)とともに旧コスモ石油設立。昭和61年(1986年)4月1日、大協・丸善・旧コスモが合併、コスモ石油(株)設立。

ガス

モービルプロパン

モービルプロパン  
撮影:2022年1月

東京都千代田区大手町一丁目1番2号 大手門タワー・ENEOSビル、ENEOS(株)

毎日ガス

出光プロパン

出光灯油

出光アポロマーク2代目

出光アポロマーク3代目

出光プロパン
撮影:2002年2月

東京都千代田区大手町一丁目2-1 Otemachi One タワー、出光興産(株)

1枚目は店舗のページにも入れている毎日ガスセンターの小型看板。「出光」の漢字ロゴタイプは創業者出光佐三氏の筆によるもの。

明治44年(1911年)6月、出光商会創業。昭和15年(1940年)3月、出光興産(株)設立。

2枚目は部分アップの初代アポロマーク。昔の小型琺瑯看板で描きにくかったのか、正式なのとはあちこち違うようです。目が怖いですね。

3枚目が正式な初代アポロマーク。出光灯油の合成樹脂看板で、撮影:2022年9月。

有名企業 社名とマークの秘密』P100によると、初代アポロは昭和27年(1952年)ハイオクのブランドとして登場。当時の社長が三共のヘアトニックのマークが気に入り、同社の同意を得てデザイン化。

ブランド名のアポロは、当時は関西ペイントのブランドでしたが、交渉して無償で譲り受けたとか。他社の厚意で誕生し70年。マイナーチェンジしながらアポロは今日も走り続けています。

4枚目はガソリンスタンドの2代目アポロ。平成18年(2006年)登場。撮影:2022年9月。

5枚目は令和2年(2020年)登場の3代目アポロ。こちらもガソリンスタンドの看板。撮影:2022年12月。
参考:出光興産のサイト出光ブランド

大阪ガスのクレオソート コールタール

大阪ガスの クレオソート コールタール
撮影:2005年3月

大阪市中央区平野町四丁目1番2号、大阪瓦斯(株)

明治30年(1897年)4月設立。明治38年(1905年)ガスの供給開始。
石炭からガスを作っていた時の二次製品でしょう。クレオソートは正露丸などにも使われていますが、薬に使われるクレオソートは石油系ではなくて植物系ですね。大阪瓦斯では、昭和50年(1975年)より液化天然ガス(LNG)を原料としたガスが使われ始め、平成2年(1990年)にLNG転換が完了しています。

ダイプロ プロパン

ダイプロ プロパン 大日本プロパン瓦斯株式會社 販売店
撮影:2007年9月

大阪の大日本プロパン瓦斯(株)の看板だったようです。

ブリヂストン プロパン

Pグロリア

ブリヂストン プロパン
撮影:2010年3月

ブリヂストンのプロパンガス合成樹脂看板。

ブリヂストン企業情報 1961~1972年 第5章によると、ブリヂストンの液化ガス事業は昭和35年(1960年)から平成3年(1991年)まで。またこのマークは、昭和49年(1974年)より使用されていました。

2枚目は「Pグロリア 純プロパン」の合成樹脂看板。どうやら向こう側から撮ってなかったようで、フォルダを全部見たんですが他に撮影してませんでした。プラ看板だからまあいいかと思ったんでしょう。いろいろぬるくて残念でした。

屋根で隠れているところにBSマークがあって、○○ガス(液化ガス?)のところが琺瑯版は「ブリヂストン」のようです。

アセチレンガス

アセチレンガス
撮影:2009年3月

この工場でアセチレンガスが使われているという印。アセチレンは燃焼温度が高いので、1970年代を中心に、工場でのガス溶接や切断に使われてきました。有用ですが、扱いを誤ると爆発の危険があります。

その他燃料・暖房器具

久能木式石油コンロ特約店 福禄ストーブ

久能木式石油コンロ 特約店
撮影:2005年3月

昭和31年1月20日の朝日新聞に「久能木式石油コンロ 消防署の人も安心して使ってる 消防庁検定品」の広告あり。その他昭和20年代後半より「久能木式石油コンロ 神田須田町1-24 久能木本店」の新聞広告がいくつか見られます。商品は少なくとも昭和の初めにはあったようです。

福禄ストーブ
撮影:2004年11月
大正時代より製造されていた福禄ストーブの看板のようです。昭和30年代前半には(株)福禄として東京都渋谷区千駄ヶ谷4-24に、工場は埼玉県川口市幸町1-1にありました。平成27年(2015年)現在(株)福禄川口工場として埼玉県川口市幸町一丁目1-17にあるのがこのメーカーでしょう。

トヨコンロ

国家が品質を保証する トヨコンロ
撮影:2012年4月

名古屋市瑞穂区桃園町5番17号にある旧豊臣工業(株)、現在の(株)トヨトミの製品のようです。「国家が品質を保証する」というキャッチコピーがすばらしい。JISマークもなつかしいですね。これはトタン看板です。

イカリローソク おかめロウソク ギアー錨大和ローソク

暑中保險 高級透明蝋燭
撮影:2002年1月

神戸の日本錨印蝋燭の看板かと思いましたがマーク違いでした。錨印のローソクはいろいろあったようで、現在でもブランドがいくつか残っています。和ローソクで中ほどがくびれているのをイカリ型と言いますが、そのイメージでしょうか。

「暑中保険」に関してメールで教えて頂きました。「暑い夏でも曲がることがないが、万が一曲がったらお取り替えします」という品質保証のことだそうです。

おかめロウソク
撮影:2006年5月
大阪府大阪市城東区中浜3丁目5-13、(株)おかめローソク本舗

ギアー錨 大和ローソク
撮影:2006年3月

ツルマルマッチ

ツルマルマッチ 特約店
撮影:2002年1月
拡大画像(34KB)

兵庫県姫路市網干区新在家334、大和産業(株)
大和産業(株)は大正8年(1919年)、岡田燐寸製造所として創業。昭和23年(1948年)5月、大和燐寸(株)に改組。平成元年(1989年)大和産業(株)に改称。

マッチ産業発祥の地は東京ですが、輸出産業になり、中国等への貿易に有利な京阪神地区が主な産地となりました。

姫路市の沿岸部にはマッチ工場が集中し、平成11年実績で全国の8割を生産しています。ただし生産量は減少。大和産業も、グループで、広告マッチに代わるティッシュペーパー等の販売促進商品の製造や、ラベルその他の印刷を兼業されています。

マッチコレクターにはおなじみの鶴丸印。『マッチいっぽん』に、昭和4年4月4日、岡田燐寸が野田マッチより商標権を買った、とありますが、この看板は大和燐寸時代のものではないでしょうか。

京の花 薫物線香

登録商標 京の花 薫物線香 PERFUME INCENSE 林龍昇堂
撮影:2005年9月

京都市中京区三条通堀川東入る東橋詰町15、林龍昇堂
暖房用ではありませんが、燐寸となじみがあるのでここに入れました。

いろはマッチ

今でも姫路市内の工場の壁に掛かっている、いろはマッチの大型トタン看板。手前にブロック塀があるのですが、幅はブロック6個分くらいありました。ちなみにコンクリートブロックのサイズは39×19cmくらいです。

小売店のプレート

兵庫県石油協同組合員之章 滋賀県石油協同組合員之章 燃料小賣商組合連合会

兵庫県石油協同組合員之章
撮影:2002年6月

滋賀県石油協同組合員之章
撮影:2018年4月

公認 大阪府燃料小賣商組合連合会々員之章
撮影:2004年10月

大阪府プロパンガス販売許可店之證 奈良縣プロパンガス販売許可店之證

許可番号指令 商商一第 号 大阪府プロパンガス販売許可店之證 大阪府プロパンガス協会
撮影:2006年2月

許可指令番号 奈良縣指令商第 号 奈良縣プロパンガス販売許可店之證 奈良縣プロパンガス協会
撮影:2008年12月

プロパンガス 兵庫県協會員

プロパンガス 兵庫県協會員
撮影:2005年5月 拡大画像(50KB)

販売店の合成樹脂看板。旧字が使われていますので、樹脂製の中では古いものでしょう。

危険物少量取扱場 危険物少量取扱場

第七五七號 危險物少量取扱場之證 姫路市消防局
撮影:2003年10月 兵庫県姫路市

危險物少量取扱場
撮影:2004年5月

危険物少量取扱場 危険物少量取扱場

危險物少量取扱場 大津市消防署
撮影:2006年9月 滋賀県大津市

危険物少量取扱場
撮影:2010年12月

「危険物」と書かれているのはあちこちにあります。「LPガス消費設備」というB4くらいのプレートも琺瑯製です。

火気嚴禁

火気嚴禁

火気嚴禁
撮影:2005年3月 / 2010年12月

ガソリンスタンドやLPガス取扱店などによく見られるプレート。新しいものは各地にたくさんあります。柱サイズでぼろぼろになった旧字のプレートもたまに見かけます。

参考文献

  • 『会社年鑑≪上場会社版≫ 2004年版』2003年10月24日 日本経済新聞社
  • 『会社総鑑 1960年版』昭和35年4月15日 日本経済新聞社
  • 『全国工場通覧 1960年版』昭和34年11月10日 通商産業省編 日刊工業新聞社
  • 『全国工場通覧 1982年版』昭和57年3月30日 日刊工業新聞社
  • 『業界50年の歩み』1998年(平成10)7月20日 (株)石鹸新報社
  • 『有名企業 社名とマークの秘密』本間之英 2008年4月22日 株式会社学習研究社
  • 『マッチいっぽん』岡田兼治 昭和46年8月22日 大和燐寸株式会社
  • 『兵庫県の地場産業』平成13年版

2010年3月31日:福禄ストーブ、モービル灯油、おかめロウソク、大和ローソク、京の花、岡山日産練炭、十全の豆炭、イカリ練炭、エスビー炭、ダイプロ、アセチレンガス、東邦ガス2枚、プロパンガス販売許可店之證2枚、危険物少量取扱場 大津追加。2010年5月14日:品川豆炭、上野瓦斯追加。2014年12月31日:高級透明蝋燭説明追加。2018年6月25日:滋賀県石油協同組合員之章、合同瓦斯、岐阜瓦斯、山陽瓦斯追加。2019年7月27日:ガス契約プレート独立引っ越し。2022年8月28日:琺瑯以外追加。2023年6月30日:モービルプロパン差し替え。Mobiloil追加。

(2023年6月30日更新)