路上観察と琺瑯看板、マンホールのふた
お散歩 Photo Album

 
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鉄道2

旧大阪市交通局

旧大阪市交通局、大電マークの中蓋

旧大阪市交通局
撮影:2005年11月 大阪府大阪市

大阪市公営の交通事業は、明治36年(1903年)の大阪市工務課が嚆矢で、この年開通した市電事業を運営しました。

2度改組ののち、大正12年(1923年)10月1日、企業買収により電力事業にも乗り出し、大阪市電気局に改組。家電ショップ市電の店もありました。

昭和17年(1942年)4月1日、戦時中の配電統制令で、電力事業を日本配送電(株)と関西配電(株)に譲渡。
昭和20年(1945年)9月11日、大阪市交通局に改組。

旧大阪市交通局、大電マークの大蓋

旧大阪市交通局 殿堂
撮影:2010年3月 大阪府大阪市

この蓋があったのは地下鉄の上でも旧市電通りでもありませんでした。変電所などから市電に電力を供給するルート上の蓋だったのでしょうか。

大通りでもないのにかなりすり減っているので、かなり古い蓋でしょう。戦前の電力蓋の可能性があるのかどうか。

パターンは、他の電力会社で現在でも見られる水玉。『マンホールのふた<日本篇>』には「あぶく」とあります。関西らしくタコ足パターンもあるようです。

旧大阪市交通局、大電角蓋
旧大阪市交通局、大電角蓋

旧大阪市交通局 殿堂
撮影:2015年9月 大阪府大阪市

大型角蓋2枚もの。
中央の大電マークは、SUBWAY 日本地下鉄協会報 第206号によると、「明治41年頃から使用されるようになり、大正12年10月1日に電気局となったときに「局章」として定められました」とのこと。

大電マークは、平成30年(2018年)4月1日、市営地下鉄事業を引き継いだ大阪市高速電気軌道(株)(大阪メトロ)の社章として引き継がれました。

旧大阪市交通局、大電角蓋

旧大阪市交通局 殿堂
撮影:2015年5月 大阪府大阪市

消火栓蓋くらいのサイズ。他の場所にもありました。これも地下鉄の上でも旧市電通りでもない場所にありました。やはり市電の電力供給用だったのでしょうか。

旧大阪市交通局(マルコマーク)

旧大阪市交通局(マルコマーク)
撮影:2018年5月 大阪府大阪市

1980年代前半までの蓋と思われます。旭区内谷町線沿い。

昭和8年(1933年)5月20日、現在の地下鉄御堂筋線が開業。日本で最初の公営地下鉄事業とのこと。

中央のいわゆる「マルコマーク」は開業当初からの地下鉄マーク。Wikipediaの「局章・ロゴマーク」によると、本名は「大阪市高速電気軌道標識」だそうです。

旧大阪市交通局(マルコマーク)

旧大阪市交通局(マルコマーク)
撮影:2015年9月 大阪府大阪市

蓋裏蝶番になりました。下水蓋のように、蝶番部分に「1995」と製造年の鋳出してあるもの。日之出製でしょう。

平成30年(2018年)4月1日、大阪市高速電気軌道(株)(大阪メトロ)誕生。新たにシンボルマークが制定され、85年間親しまれたマルコマークは廃止となりました。引き継ぐなら大電よりもマルコの方かと思いましたが。

旧大阪市交通局(マルコマーク)散水栓

旧大阪市交通局(マルコマーク)散水栓
撮影:2015年4月 大阪府大阪市

散水栓はどの駅の構内にもあるのでしょう。乗客が多く、外より暗くて撮りにくい蓋。

旧大阪市交通局(マルコマーク)消火栓 旧大阪市交通局地下鉄シンボルピクトグラム

マルコマーク付き消火栓
撮影:2018年5月 大阪府大阪市

駅構内の消火栓。大阪メトロに変わったあとでも、設備にはまだマルコが残っていました。

 

旧大阪市交通局地下鉄シンボルピクトグラム
撮影:2015年9月 大阪府大阪市

40年以上に渡って親しまれた地下鉄ピクトグラム。マルコマークが口のように見えて、とぼけた味がありました。2020年現在、少なくとも地上から見える看板は、ほぼメトロマークに変わっているようです。

『大阪市地下鉄建設70年のあゆみ』P175に、「地下鉄マーク」として、「昭和52年の谷町線の守口延伸時から使われるようになった」とあります。昭和52年(1977年)4月6日のことです。

旧大阪市交通局「市交」の化粧蓋

市交
撮影:2018年5月 大阪府大阪市

「市交」と書かれた化粧蓋。大阪市交通局の略でしょう。あまり見ないですね。

大阪府大阪市西区九条南一丁目12番62号、旧大阪市交通局、大阪市高速電気軌道(株)

京都市交通局

京都市交通局

京都市営地下鉄京都駅入口
京都市交通局マーク

京都市交通局
撮影:2005年9月 京都府京都市

関西電力の蓋よりは小型。動物がジャンプしているようなマークは、明治44年(1911年)、京都市が市電の敷設工事を始めたときにはありました(参考:京都市電氣局例規 昭和12年)。頭と両足はレールの断面となっています。

明治45年(1912年)6月11日、当時の京都市電気軌道事務所が市電事業開始。大正7年(1918年)7月1日、先行して路面電車事業を行っていた京都電気鉄道(株)を買収。

大正13年(1924年)4月15日、京都市電気局に。戦後昭和22年(1947年)12月17日、現在の京都市交通局に改組。
市電全廃は昭和53年(1978年)10月1日。地下鉄烏丸線が開業したのは、昭和56年(1981年)5月29日のこと。

京都府京都市右京区太秦下刑部町12番地、京都市交通局


京都駅北、ルネサンスビル前の「電気鉄道事業発祥の地」の石碑(95KB)。日本の電車、ここより走る。

神戸市交通局

神戸市交通局雨水
神戸市交通局マーク部分

交通局 雨水神戸市交通局
撮影:2005年11月 兵庫県神戸市

大正6年(1917年)8月1日、路面電車事業と電力事業を行っていた神戸電気(株)を買収。神戸市電気局発足。

昭和17年(1942年)、配電事業を関西配電(株)に譲渡。神戸市交通局に改組。

市電全廃は昭和46年(1971年)3月14日。地下鉄西神線の開業は昭和52年(1977年)3月13日。

この神戸市交通局のマークは、大正8年(1919年)に製造された最初の電車にはついていました。電気局発足時もしくはごく初期に定められたものでしょう。

兵庫県神戸市中央区加納町六丁目5番1号 神戸市役所3号館4階、神戸市交通局

名古屋市営地下鉄

名古屋市営地下鉄
名古屋市営地下鉄シンボルマーク(旧)

名古屋市営地下鉄
撮影:2019年4月 愛知県名古屋市

名古屋市営地下鉄は名古屋市交通局が運営する地下鉄。昭和32年(1957年)11月15日、現在の東山線名古屋―栄間開業。

黄色のペンキで大きく「排」と書かれています。排煙か排気の蓋でしょうか。

中央は初代シンボルマークで、昭和54年(1979年)まで使われたとか。名古屋市章の○八をトンネルと線路にアレンジしたもので、初代は○が6分割になっていました。

名古屋市営地下鉄丸蓋

名古屋市営地下鉄角蓋
名古屋市営地下鉄シンボルマーク(新)

名古屋市営地下鉄
撮影:2枚とも2019年4月 愛知県名古屋市

新しいシンボルマークが付いています。ほぼ1980年代以降の蓋ですね。

交通局のマークは、上の神戸市交通局マークの神戸市章を、名古屋市章の○八に入れ替えたもの。

名古屋市営地下栄駅

名古屋市営地下鉄栄駅
撮影:2019年4月 愛知県名古屋市

名古屋の皆さんにはすっかりおなじみ、地下鉄栄駅と大観覧車Sky-Boat。栄駅は開業当初は栄町駅でした。

参考文献

  • 『マンホールのふた<日本篇>』林丈二著 1984年3月30日 (株)サイエンティスト社
  • 『大阪市地下鉄建設70年のあゆみ』平成15年9月 大阪市交通局
  • 電灯市営の十年』(国立国会図書館デジタルコレクション)昭和10年2月25日 大阪市電気局
  • 『関西地方電気事業百年史』昭和62年10月25日 関西地方電気事業百年史編纂委員会
  • 京都市電氣局例規』(国立国会図書館デジタルコレクション)昭和12年9月30日 京都市電気局

2021年2月18日:ページ名修正、分割新設。2021年3月5日:名古屋市営地下鉄丸蓋1枚追加。

(2021年3月5日更新)