上下水道 大阪府大阪市4
下水道
角蓋
大阪市(下水)
殿堂
撮影:2015年11月 大阪府大阪市
古いデザインの角蓋は、中央の市章とパターンは同じ大きさなのでしょう。入っている二の字パターンが多いです。下水道台帳情報では特殊マンホール。
大阪市は明治22年(1889年)4月市制施行。近代的な下水道は、明治27年12月(1894年)起工、明治32年(1899年)11月竣工。参考:大阪市サイト「大阪市下水道のあゆみ」
大阪市(下水)
殿堂
撮影:2015年11月 大阪府大阪市
縦は下の角蓋と同じ660。横はおそらく780。古そうな石縁に囲まれていますが、下水道台帳情報には掲載されていません。
大阪市(下水)
殿堂
撮影:2018年5月 大阪府大阪市
パターンの入り方から大きさは660四方と思われます。マンホール蓋ではなく溝蓋として使われています。今残っている角蓋の中では多いデザインでしょう。
大阪市(下水)
殿堂
撮影:2015年5月 大阪府大阪市
立派な石縁に囲まれている古蓋。
『マンホールのふた<日本篇>』に同じ蓋と思われるものが載っています。このパターンの蓋はそれほど多くないようです。
『大阪市下水道事業誌(第3巻)』にも写真が載っていますが、いずれも「明治・大正期改良背割下水人孔蓋」とのことです。いつごろまで使われていたかわかりませんが、古いデザインですね。大きさは一辺660。台帳では第三種特殊マンホールの記号あり。
大阪市(下水)
殿堂
撮影:2005年11月 大阪府大阪市
パターンの入り方から大きさは780×480くらい。台帳では特殊集水枡の記号があります。
大阪市(下水)
殿堂
撮影:2016年11月 大阪府大阪市
500四方くらい。側溝の会所の蓋になっているようです。同じ大きさで二の字パターンの蓋もあります。
大阪市(下水)
撮影:2007年5月 大阪府大阪市
大型の角蓋。石縁が付いています。昭和30年代までの蓋でしょうか。
下は川の横の蓋。左の蓋とも台帳には合流会所の記号がありました。撮影:2009年3月、大阪市。
大阪市(下水?)
撮影:2018年5月 大阪府大阪市
枡蓋ふうですが用途不明。
丸蓋
大阪市(下水)
撮影:2015年11月 大阪府大阪市
コンクリート蓋。戦中戦後の鉄が不足した時代に作られたもので、戦争末期には蓋を供出していました。コンクリート蓋は、一時はかなりの数があったのでしょうが、今では公園や車のあまり通らない道などでしか見たことがありません。
大阪市(下水)
殿堂
撮影:2015年11月 大阪府大阪市 拡大画像(144KB)
穴あき部分がたらこのようなので、勝手にたらこ蓋と呼んでいます。同様のデザインの蓋は、東大阪や豊中などの関西地方や四国地方にあるようです。
市内のたらこ蓋は、交通量のある場所から順次デザイン蓋に交換されているようで、平成22年(2010年)以降かなり数が減ってきました。いずれはなくなると思われますので、蓋、石縁とも状態のいいこの蓋は殿堂に昇格させました。
『大阪市下水道事業誌(第3巻)』によると、このデザインが使われたのは昭和初期~昭和49年(1974年)とのこと。『写真で見る大阪市下水道100年のあゆみ』の「マンホール蓋の変遷」P103にも写真が載っています。参考:大阪市下水蓋資料。
大阪市(下水)
撮影:2010年3月 大阪府大阪市
市章の向きがずれているバージョン。メーカーの工夫か勘違いかはわかりませんが、滑り止めのラインは、十字よりもX字の方がいいように思いますね。
大阪市(下水)
殿堂
撮影:2014年6月 大阪府大阪市
『大阪市下水道事業誌(第3巻)』によると、コンクリート蓋の重量による作業効率の悪さ解消と、蓋の盗難防止を考慮し、外蝶番付きの蓋が昭和37年度(1962年度)より使用されたとのこと。ただ、設置から数年でガタつくようになったので、蓋と枠の間にクッション材を入れ騒音を防止し、のちにガタつきにくいテーパー構造型の蓋が採用されるようになりました。
これは昭和37年度(1962年度)のみ設置されたという、呼び径600と思われる大蓋。鍵穴が縦になっているのが特徴です。上記資料『写真で見る大阪市下水道100年のあゆみ』の「マンホール蓋の変遷」P103にも写真が載っています。参考:大阪市下水蓋資料。少数派にて殿堂入り。
大阪市(下水)
撮影:2005年5月 兵庫県姫路市
隣県に出向中の蓋。2穴を取っ手として利用し、残りの穴は鍵穴も含めて全部ふさいでいます。昭和38年度(1963年度)より使われた大蓋です。
大阪市(下水)
撮影:2014年10月 大阪府大阪市
昭和53年度(1978年度)より分流式の汚水管に対応するため、鍵穴とその上の穴2個以外の穴をふさぎ、雨水の流入を防止するようになりました。
さらに翌昭和54年度(1979年度)より、「雨水」「汚水」の文字を入れるようになりました。これは文字の小さいバージョンです。
大阪市(下水)
撮影:2014年6月 大阪府大阪市
サイズはφ470。4種マンホールの蓋としてあちこちで使われているものです。これはずいぶんキッチリ簡単にふさぎましたね。この蓋の近くにあるオープンカフェの臭い対策でしょうか? 下水道台帳には載っていませんでしたが。
おなじみの大阪城をデザインした蓋は、平成6年(1994年)、下水道事業着手100周年記念の公募で選ばれたもの。平成22年(2010年)ごろからは狭い道路でもデザイン蓋を目にする機会が増えてきました。が、まだまだ外蝶番穴あきの蓋も多いです。
大阪市(下水)
撮影:2005年11月 大阪府大阪市
とても大きな蓋。白線が幅15cmなのでφ900くらいありそう。下水道台帳を見ると放流渠の蓋のようです。浸水対策で地下にトンネルを掘っているのでしょう。
大きいので工水の蓋かと思いましたが、上水や工水関連は「水道」や「量水器」など何らかの文字が書かれていて、市章のみだと下水蓋であるのが古くからのお約束のようです。下水蓋に「汚水」などの文字が書かれるようになったのは昭和54年度(1979年度)以降のことです。
大阪市(下水)
撮影:2015年4月 大阪府大阪市
この蓋もかなり大きいです。下の蓋とも、下水道台帳を見ると送水管の扇形マンホール蓋のようです。抽水所の近くの蓋。
大阪市(下水)
撮影:2015年4月 大阪府大阪市
こちらはφ600くらい。NTT蓋のようなT字パターン。ボルト止めできるようになっているんでしょう。
大阪市(下水)
撮影:2014年4月 大阪府大阪市
縮小しているので見づらいですが、正方形メッシュに大阪市マークのみが描かれていて、正面から見るとぬいぐるみの顔のように見えます。これは浄化槽の蓋として使われているのでしょうか。
福西鋳物のカタログにOC型とある規格蓋でしょう。公道以外の敷地内に使えるとのことで、姫路市などではメーカー蓋が使われている敷地内や公園などで見ることができます。
大阪市 災 下水
撮影:2006年9月/2014年4月 大阪府大阪市
災害時には蓋を開けるとトイレになるマンホールトイレの蓋。平成7年(1995年)の阪神・淡路大震災でトイレが不足したのをきっかけに、公園や広場の下水管に直接設置でき、屎尿回収の不要なマンホールトイレが考案されました。パターンは北勢工業のもの。参考:北勢工業のサイト
参考文献
- 『大阪市下水道事業誌(第3巻)』平成2年1月31日 大阪市下水道局
- 『写真で見る大阪市下水道100年のあゆみ』大阪市下水道局編 1994年11月 大阪市
- 『マンホールのふた<日本篇>』林丈二著 1984年3月30日 (株)サイエンティスト社