上下水道 岡山県岡山市1
上水道1
岡山市 制水弇
殿堂
撮影:2013年5月 岡山県岡山市
同心円が13本、枠とマークの周囲まで入れると15本あり目が回りそう。こういう同心円の詰まっているパターンの蓋は大阪にもありました。直径約600mm。
岡山市の創設上水道は明治36年(1903年)起工、同38年(1905年)竣工。
これと下2枚の蓋のある場所は、大正10年(1921年)3月に岡山市に合併していますが、蓋はそこまで古くはないでしょう。右横書きの方は、岡山市水道局の水道のあゆみに記載されている、第3期拡張事業完成の昭和12年(1937年)ごろの可能性もあります。
昭和11年(1936年)の地図にはこの蓋のある道路はまだありませんが、すぐ近くまで当時としては広い幹線が完成しています。
岡山市 制水弇
殿堂
撮影:2013年5月 岡山県岡山市
上と同じ大きさですが、左書きになり同心円の数が減って、バランスのいいデザインになりました。
岡山市は明治22年(1889年)6月市制を施行。その後周辺自治体を次々合併し、平成の大合併により人口が70万人を突破。平成21年(2009年)4月1日には政令指定都市に移行しています。
岡山市 制水弇
殿堂
撮影:2013年5月 岡山県岡山市
小型の制水弁蓋。横(外外)約300。
かつて岡山にいたとき、岡山市の水は浄水場が広くゆっくり濾過できるので、市の規模の割に水がおいしいということをに聞きました。現在は人口も増えて昔のようにはいかなでしょうか。水道局では「ごっくん桃太郎おかやまの水」というペットボトル水も販売しています。同じ絵柄のデザイン蓋もたまに見かけます(リンク先からはブラウザの戻るボタンで戻って下さい)。
岡山市水道制水辨
殿堂
撮影:2008年5月 岡山県岡山市
神戸などにもある古そうな書体の蓋。いずれも「道」のしんにょうは元の字である「辵」でしょう。最新の一般的な制水弁蓋よりも小型で、枠まで入れて左右の長さは約210mmだったので、上下は蓋のみ140、枠を入れても170mmくらいのようです。
文字列ラウンド型の亜種
いずれも右回りで書かれています。今までは右回りは右横書きで古い時代のものと考えていましたが、昭和20年代以前の蓋とは思えないようなものも見受けられます。
もしかしたら「開」の周囲の回転矢印と同じ回り方で書かれているのかもしれません。
撮影:2005年8月 岡山県岡山市
古い書体の名残がある。郊外にもあり
撮影:2013年4月 岡山県岡山市
字が上手で「開」の門構えが省略されている
撮影:2005年8月 岡山県岡山市
上下やや分離。上下の長さ150枠を入れると180mm。枠まで入れて左右約230mm
撮影:2008年5月 岡山県岡山市
「岡山市水道」と「制水弁」上下に分離。枠まで入れて左右約225mm
岡山市水道局 制水弁
殿堂
撮影:2013年5月 岡山県岡山市
ラウンド書きではなく上下に分かれ、それぞれ左書きのもの。この書き方が一般的なのでしょうが少ないです。また水道「局」なのもめずらしいです。「開」の周囲の回転矢印の始まりが下になっているのは、文字の書き方と関係があるのかもしれません。
蝶番は使えるのか疑問ですが、形は他とは違いますね。上の蓋とも、水道局章が現在のものになる前の蓋ではないでしょうか。
岡山市 制水弁
撮影:2013年5月 岡山県岡山市
どこにでもある制水弁の蓋。中央のマークは現在の岡山市水道局章。
岡山市の歴代水道局章(『岡山市水道誌』P315~316より引用)
制定年月は、左上:明治38年(1905年)1月、右上:大正8年(1919年)1月、左下:昭和5年(1930年)1月、右下の現行マークが昭和35年(1960年)11月。
最初が「岡」でその後「岡水」をデザイン化したものになっています。このページの上から3枚目までの蓋は3番目のマークが入っていてもいいはずですが、鋳造するには複雑なので簡略化された「岡水」マークを使用したのでしょうか。この3番目のマークのついた蓋は他でも見ていません。量水器などのマークなしの蓋の一部には、3番目時代のものも結構ありそうです。
現行マークは『岡山市水道誌』P315によると、「岡山の「岡」を輪形に図案化し、その中に流水紋風に図案した「水」を入れて岡山市水道を表徴したもの」とのことです。
それにしても流水の周囲のこの図案が「岡」とは気づきませんでした。
岡山市 排氣弁
撮影:2013年5月 岡山県岡山市
小さな排気弁の蓋。自分の影を落とさないようにしていたら画面からはみ出してしまう。
岡山市水道局 空気弁
撮影:2013年5月 岡山県岡山市
消火栓くらいの角蓋。独特の書体です。「道」「弁」に特徴がありますね。
岡山市 空気弁
撮影:2007年9月 岡山県岡山市
美しい蓋でした。光の条件の良い時に撮り直したい。横約600mm。
参考文献
- 『岡山市水道誌』昭和40年7月23日 岡山市水道局
- 『マンホールのふた<日本篇>』林丈二著 1984年3月30日 (株)サイエンティスト社