路上観察と琺瑯看板、マンホールのふた
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上下水道 福岡県

福岡市

福岡市制水弁

福岡市 制水弁
撮影:2006年1月 福岡県福岡市

福岡市上水道は、大正5年着工、大正12年(1923年)3月完成とのことですが、意外にも古い蓋は見つからず。歩いた場所が悪かったのか……。とりあえずこの蓋を代表でUP。中央のマークは三菱のようですが、福岡の市章を少し簡略化したもの。

福岡市下水蓋

福岡市 下水
撮影:2006年1月 福岡県福岡市

下水蓋の中では2、3世代前のものではないでしょうか。盤面の反り具合がいい感じです。福岡市の下水道は昭和5年(1930年)事業認可、昭和17年(1942年)に一部地域で完成しています。中心部などの汚水・雨水合流式下水道が採用されている地域の蓋でしょう。

福岡市下水蓋

福岡市 下水
撮影:2006年1月 福岡県福岡市

福岡市下水蓋中央部分
中心部のマークは明治42年(1909年)10月制定の福岡市の市章。「フ」(>のような文字)が9個で「ふく」なのだとか。上の蓋とも、市章の周囲に輪になった「下水」の文字が取り囲んでいます。このデザインの蓋が一番多く見られました。

福岡市下水蓋

福岡市 下水
撮影:2006年1月 福岡県福岡市

中央のマークが違いますね。JISよりは穴が小さく少なくなっています。

福岡市下水蓋

福岡市 下水
撮影:2006年1月 福岡県福岡市

博多駅の近くで見た星パターンの蓋。上の蓋の穴の回りを星にして独立させたように見えますが、デザイン的には何とも……。

北九州市

門司水道

門司水道 排氣辨(排気弁)? 殿堂
撮影:2007年2月 福岡県北九州市 拡大画像(101KB)

どう見ても戦前モノのような蓋。駐車場の片隅で車に踏まれています。幅600くらいでしょうか。パターンの*は「水」でしょう。下の文字は右から排氣辨?

旧門司市上水道は、明治42年(1909年)3月起工、明治45年(1912年)3月竣工。参考:『門司市史』P896、『門司市史』P899。

門司市水道制水弁

門司市 水道 制水弁
撮影:2007年2月 福岡県北九州市

中央は旧門司市のき章。旧門司市が市制を敷いたのは明治32年(1899年)4月1日。5市が合併して北九州市が誕生したのは昭和38年(1963年)2月10日ですので、このき章が付いている蓋はそれ以前のものということになります。
昭和30年代の雰囲気のある蓋です。

制水辨(制水弁) 殿堂
撮影:2007年2月 福岡県北九州市 拡大画像(100KB)

周囲の「W」の文字が良いですね。WATERの略でしょう。門司港で発見。大きさは200弱くらいでしょうか。汎用のページにも入れています。

門司市量水器

門司市 量水器 殿堂
撮影:2007年2月 福岡県北九州市

小型の量水器。「器」がとぼけたいい味を出していますね。マークは簡略化されています。

門司市量水器

門司市 量水器
撮影:2007年2月 福岡県北九州市

こちらは大型量水器。旧門司市のき章について、『門司百年』には、「門司市の生命である港のシンボル“錨”を中に置き、回りを“門”の文字を波に形どって抽象化した線でかこんだもの」「大正11年(1922年)4月制定」とあります。参考画像

門司市下水

門司市(下水)
撮影:2007年2月 福岡県北九州市

マークと取っ手の位置がずれていますが、下水蓋の中では古そうな感じでした。周囲の石縁も立派。下の蓋とも600くらい。

余談ですが、Wikipediaの北九州市のページを見ていて、「北九州市発祥のもの」の項に「パンチパーマ」とあって笑ってしまいました。小倉人好みのヘアスタイルだったのか。てっきり大阪発祥だと。

門司市下水

門司市 下水
撮影:2007年2月 福岡県北九州市

「下」の文字が入りました。
合併して北九州市になった旧5市(小倉、門司、戸畑、八幡、若松)の中で、最も下水道の認可が早かったのは若松市で昭和7年(1918年)7月のこと。その後昭和9年(1934年)3月八幡市、昭和26年(1951年)八幡市第2期(近代下水道市内第1号)、昭和33年(1958年)8月戸畑市、昭和38年(1963年)3月門司市の順に認可されています(『北九州市の土木』より)。

旧門司市の場合は認可と合併が同時期なので、全部北九州の蓋が使われていてもおかしくないのですが、門司市の下水蓋も割と見られました。昭和38年(1963年)以前に小規模な下水道があったのか、あるいは認可を見越して蓋の発注をしていたのかは定かではありません。

参考文献

  • 『門司百年』写真で見る門司一〇〇年の歩み 平成11年6月1日 北九州市門司区役所
  • 『北九州市の土木』平成8年3月 北九州市企画局企画調整部企画課
  • 『マンホールのふた<日本篇>』林丈二著 1984年3月30日 (株)サイエンティスト社

(2022年11月19日更新)