my蓋1
私設の蓋
私
殿堂
撮影:2005年9月 京都府京都市
『京都おもしろウォッチング』にも、こういう感じの、汚水枡のコンクリート蓋が載っています。「私」1文字のみの潔さで殿堂入り。
私
撮影:2005年9月 京都府京都市
文字のようなものが鋳出されています。
岡山市 私 制水弁
撮影:2005年8月 岡山県岡山市
個人持ちの制水弁なのかな。「私」が一番大きいですね。
大阪市には私設の上水蓋が割とあります。大阪市のページに入れています。
ダイセル工水
ダイセル工水
撮影:2005年6月 兵庫県姫路市
φ(直径)970、枠まで1010のかわいい顔をした大蓋です。小林鋳造(株)、現在のカネソウ(株)製。
同社の沿革を見ると、鋳鉄器の製造が小林鋳造からカネソウに譲渡されたのは昭和56年(1981年)3月とのこと。「KOBAYASHI FOUNDRY」と入っているのはそれ以前の蓋ということになりますが、20年以上経ってるようには見えません。
ダイセル工水
撮影:2005年6月 兵庫県姫路市
φ640、枠まで680。
ダイセルは、明治41年(1908年)日本セルロイド人造絹糸(株)として創立。大正8年(1919年)、合併により大日本セルロイド(株)設立。昭和41年(1966年)にダイセル(株)、昭和54年(1979年)にダイセル化学工業(株)と社名変更しました。網干工場は、明治41年に計画され、同44年(1911年)完成しています。
セルロイドや写真のフィルムを作ってるメーカーと思ってたんですけど、液晶ディスプレイの偏光板保護フィルムなんかも手がけられてたとは知りませんでした。
ダイセル工水
撮影:2005年10月 兵庫県姫路市
少し新しくなりました。カネソウ製。
工業用水は、当初は網干区余子浜地区から取水していましたが、満潮時に海水が混じることがあり、昭和3年(1928年)より上川原の伏流水を利用するようになりました。昭和13年(1938年)、兵庫県が揖保川の水を直接池に引き込む方法で、工水を取水しはじめたのに伴い、ダイセルも川底に集水施設を設け、河川から取水するようになりました。
ダイセル工水
撮影:2005年6月 兵庫県姫路市
もう少し新しい? カネソウ製。
ダイセル工水
撮影:2005年6月 兵庫県姫路市
φ650、枠まで700のJIS蓋。丸型の中では一番古そうです。
ダイセル工水
撮影:2005年10月 兵庫県姫路市
こういうパターンはあまり見ないですね。
ダイセル工水
撮影:2005年8月 兵庫県姫路市
鉄製ですが、石畳のように表面加工してあります。枠が太く鉄光りしてるのがカッコイイ。こういうデザインの蓋がもっと増えてくれないかな。
ダイセル工水は4ルートあるようです。そのうちの一つが工場に到着しました(2枚目)。運河を船が通るので、水面から15メートル上を渡っています。
ダイセル 防火栓
殿堂
撮影:2005年6月 兵庫県姫路市
460×630。マークは大日本セルロイドの「大」と「C」を組み合わせて図案化したもの。防火栓は、私設の消火栓の場合もあり、京都のように、古い時代の消火栓のことである場合もあります。現在では防火水槽の水を汲み上げる栓をいうようですね。
今のようにあちこちに消火栓のなかった時代に、防火栓が一個所でもあると、地元の方も心強かったのではないでしょうか。長い間お世話になっております。殿堂入り。
新日鐵
新日本製鐵(鉄) 工水
撮影:2006年5月 兵庫県姫路市
日本製鉄(株)の新日鐵時代の工業用水。昭和45年(1970年)3月31日以降、平成24年(2012年)10月1日に新日鐵住金(株)になるまでの蓋ですね。測ってないですがφ800以上? シンプルですが、中央のマークだけでも充分値打ちモノと勝手に思っています。
あれだけの大工場なのだから、マーク入りの蓋もたくさんあるだろうと探したのですが、発見できたのは3枚のみ。県の蓋がはまっていたり、マークの部分が削られていたり。富士製鉄時代のマークなので削ったのでしょうか。別にいいのに。
いや、そもそも工水上に蓋が少ないのです。上水とは違い一定間隔で止水弁を作らなくてもいいのでしょうか。
大阪高架
大阪高架KK 高圧
撮影:2007年3月 大阪府大阪市
電気蓋。高の字はいずれも「髙」でちょっと古そう。メモが行方不明で詳細不明ですが、不動産業者で、住所は福島駅高架下だったかと。1970年代にはありました。
平成9年(1997年)4月、ジェイアール西日本開発(株)と合併。2020年現在、JR西日本開発(株)。住所は大阪府大阪市北区中之島二丁目2番7号。
大阪土木技術協会
土木技術協会 照明
撮影:2015年9月 大阪府大阪市
大阪土木技術協会の専用蓋。現在この協会はないようです。
中日新聞
中日新聞
撮影:2019年4月 愛知県名古屋市
中日新聞マーク入りの蓋。
三十三間堂
三十三間堂 防火池 / 三十三間堂 排水溜
撮影:2007年11月 京都府京都市
1枚目は「防火池」となっています。防火水槽とは違うんでしょうか。
中央には仕様が鋳出されていますが、「容量100,000立」とあります。立は立方メートルでしょう。立米と略されることもあり、図面屋はそのまま「りゅーべ」と読んでいました。
東大寺
東大寺 流水検知器
撮影:2004年11月 奈良県奈良市
もっと保存状態のいい蓋はたくさんあったのですが、流水検知器がめずらしくて。やっぱり差し替えるべきか。
大仏様を見学の際は地面の蓋もついでにご覧下さい。
参考文献
- 『あぼしわが町 すてきな歴史 たゆまぬ前進』平成9年5月1日 姫路市立網干中学校創立50周年記念事業実行委員会
2006年6月11日更新。2020年5月15日:私1枚、大阪高架、大阪土木技術協会、三十三間堂追加。2020年6月30日:中日新聞追加。