路上観察と琺瑯看板、マンホールのふた
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35.姫路モノレール 


無用橋脚

前ページの建物を横に回って西から見たところ。煙突のように頭を出しているのはモノレールの橋脚。
モノレールの廃線跡はトマソンではないと思うが、これはトマソン(無用橋脚)と言ってもいいのではないか。

かつて、姫路にもモノレールがあった。
軌道上を鉄製の車輪で走るロッキード式で、1966年5月、姫路大博覧会に合わせて姫路駅~手柄山公園間約1.8キロが開業。新システムによる市民の足として期待された。しかし博覧会閉幕後は乗客が減少。1974年休止、その後廃止された。

ホテルニューキャッスルの中を行く

姫路駅より西約500メートル、ホテルニューキャッスル(当時)に突入するモノレール軌道。
ここには駅があったが、10年ほど前毎日放送のTVクルーが入ったときは、すっかり鳩のホテルになっていた。

わずか8年の短命に終わった姫路モノレール。関係者の方々も、モノレール自身も無念だったのではないだろうか。
(※この建物は撤去され2020年1月現在更地になっている)

山陽色素の横を行く

南西に向きを変え船場川に沿って下る。向こうに見えるのは山陽色素第二工場。
姫路駅から山陽電車との交差あたりまでは、軌道はぶつ切り状態であまりいい景観ではない。このあたりまで来るとつながっている軌道が一望できる。

月見橋より

月見橋より北東をのぞむ。手柄山駅目前だがこれより南は撤去済。
川の上は鉄橋で一段と細く見える。

営業していた頃の写真を見た。街の上をうねる軌道は宙を飛ぶ大蛇のようにも見えた。そう、もとよりヘビに足を求めたところに、ちょっとムリがあったのかもしれない。

純粋橋脚

再び姫路駅付近。「無用橋脚」の建物の東側。こちらは「純粋橋脚」か。

足なきヘビを支え続けたコンクリートの橋脚。軌道の撤去された今、墓標の様相を呈している。
(※この橋脚は2003年2月には撤去されていた)。

2002年11月 兵庫県姫路市

(2003年1月28日作成、2020年1月5日追記)