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姫路城工事エリア見学会1


姫路城2012秋

世界文化遺産・国宝姫路城。2015年までの予定で、屋根瓦の葺き替えと壁の塗り替えを中心とした平成の大修理が行われています。

姫路城はまちなみの中にではなく背景にあり、かつては町のどこからでも見えたそうです。
遠くから見た場合、複数の天守や櫓などを効果的に配置した裾広がりのレイアウトは安定感があるように思えます。ですが近くで見るとその大きさと美しさは圧倒的で、静と動、剛と柔の絶妙のバランスのもとに建てられており、昔の人のデザインセンスには恐れ入るばかりです。そして顔の親しみやすさも個人的には見逃せません。

何かの写真を見たとき、どこかにお城が写っていれば姫路の風景だとわかる。写っている景色に親しみが湧いてきます。何百年も変わらないランドマークとして、そしてなにより市の顔として、姫路城は今日も在り続けています。

撮影:2012年11月

天空の白鷺全景

大天守は素屋根で覆われていますが、姫路城大天守修理見学施設の「天空の白鷺」より、工事の様子が見学できていました。※上の方の窓のある場所(7階、8階)です。


8階ホールより大天守五重屋根(最上部)を見る
天空の白鷺8階ホールより

7階ホールより大天守四重屋根を見る
天空の白鷺7階ホールより


天空の白鷺7階、8階より工事現場を見たところ。それぞれ、屋根修理と漆喰作業のビデオが流されています。またホール内には、作業の説明パネルやカットモデルも展示されています。丸瓦のまっすぐなラインが等間隔にびしっと引かれているのは壮観ですね。


天空の白鷺8階より南側市街地を見る
天空の白鷺8階ホールより南側を見る

播磨灘が輝いているのが見えます。遠くの方で煙を吐いている煙突は火力発電所で、原発の分までフル稼働中。手前の道の上にある丸いものはお菊井戸で、観光客の方がのぞかれていますね。


天空の白鷺8階より西側市街地を見る
天空の白鷺8階ホールより

中央より少し左に千姫の化粧櫓があります。右上の小山は男山で、千姫が建立した天満宮が麓にあります。

天空の白鷺8階は大天守最上階よりも上に位置し、庶民であっても歴代の城主よりもさらに上からの目線で景色を眺められるという、おそれ多くもありがたい施設になっています。

2013年2月6日~9日まで、保存修理工事エリアの最上階の一部を間近に見ることができる見学会が開催されました。事前に申し込んで希望者多数なら抽選とのことで、報道によると倍率は2倍強だったそうです。わが家もどうにか当選し参加してきました。

工事の様子は鹿島建設のサイト姫路城大天守 保存修理工事に掲載されています。多くの写真と共に詳しい解説もあります。


工事エリア南東方向より

工事エリア南東方向より。向かって左が南で、天空の白鷺のある側です。大天守最上部である五重屋根の屋根目地漆喰が美しいですね。晴れていたので素屋根の縞々のカラフルな影が落ちていてきれいでした。これも工事中限定のめずらしい光景と言えるでしょう。

見学できる時間は20分。天空の白鷺はエアコンが効いていて快適ですが、こちらは工事現場なので、素屋根に覆われているとはいえ寒い! 担当の方によると気温2.7度とか。外は時折小雪が舞っていたのでそんなもんでしょう。夏は暑そう。職人さんたちは大変でしょうね。

東側入母屋破風

東側入母屋破風の様子。鬼瓦は波紋でその上を鯱が泳いでいる図になっています。最も重要な大棟の鬼瓦を家紋にせず、鯱と関連のあるデザインにしたのは潔いかも。その波紋ですが、ここからだと波が鯱のお腹と一体化して見えてしまいますね。

西側鯱  東側鯱

左は大棟西側の鯱。よく見ればお腹のひだに銘が入っていました。鬼瓦の波紋もまあまあ見えます。右は上の画像の鯱を南西方向より見たところ。鬼瓦の裏にも漆喰がきれいに塗られているのがわかります。

西側入母屋破風の蕪懸魚

西側入母屋破風の蕪懸魚。素屋根を外すのが惜しいくらい、白くて美しいです。懸魚は雨風を受けやすく、土台が木なので漆喰が剥げやすいようです。高い位置にあるので補修は容易ではないのに、傷むと目立つんですよね。左官さんが懸魚の傷みを気にされていると聞いていましたが、ようやく修復ができたようで安心しました。


工事現場より外を見る

工事現場より北側を見たところ。下の方に県立歴史博物館が見えます。素屋根の横の部分は多くがメッシュシートなので、結構外の景色が見えるんですね。外から工事の様子は全然見えませんけど。

工事現場より外を見る

工事現場より東側を見たところ。東側は外からだと素屋根に大天守の絵が描いてあるのがよく見えますが、中から見るとそういえば何か描いてあるかなという程度。ちなみに外から見ると下のように見えます。

撮影:2013年2月


搦手門付近より工事現場を見る

撮影:2011年3月

(2013年2月21日作成)