路上観察と琺瑯看板、マンホールのふた
お散歩 Photo Album

 
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農機2

クボタ以外の農機

ヤンマー農業機械 ヤンマートラクタ

ヤンマー 農業機械 豊かな農業 郷土を築く
撮影:2001年8月

ヤンマー ディーゼル トラクタ 人手はぶいてよい米づくり
撮影:2002年2月

大阪府大阪市北区茶屋町1-32、ヤンマー(株)

明治45年(1912年)創業。昭和6年(1931年)(株)山岡発動機工作所設立。昭和27年(1952年)ヤンマーディーゼル(株)に、平成14年(2002年)、ヤンマー(株)に社名変更。平成25年(2013年)4月、持株会社制移行しヤンマーホールディングス(株)設立。

ヤンマーブランドの農機具の製造は、グループ企業の旧セイレイ工業(株)(岡山市中区江並428番地)と、旧ヤンマー農機製造(株)(滋賀県米原市野一色931)が、販売は昭和36年(1961年)分社化されたヤンマー農機(株)が行っていました。

ヤンマー農機は平成21年(2009年)2月21日、親会社のヤンマー(株)に合併され解散しました。ヤンマー農機製造は平成25年(2013年)4月セイレイ工業と合併、本社を旧セイレイ工業の岡山市中区江並に移転。

ヤンマー ヤンマー

ヤンマー コンバイン 安全に気をくばろう 操作と点検
撮影:2002年2月

ヤンマー 田植機 うまい米づくり運動
撮影:2002年3月

おなじみヤン坊マー坊の看板。とはいえ、今とは顔もファッションも全然違いますね。このヤン坊マー坊は、昭和43年(1968年)~昭和63年(1988年)のもの。平成21年(2009年)6月には50周年記念ロゴが登場しました。テレビの「ヤン坊マー坊天気予報」は、平成26年(2014年)3月末で終了しました。

ヤンマー

ヤンマー ディーゼル ( )を守ろう
ヤンマー 農業機械 豊かな農業 郷土を築く
撮影:2003年6月
「ヤンマー」ブランドは大正10年(1921年)より。

ヤンマー ヤンマー

ヤンマー ディーゼル トラクタ 人手はぶいてよい米づくり
撮影:2002年8月
幅30センチくらいのミニサイズ。

ヤンマー富士耕うん機/ヤンマーディーゼル
撮影:2006年4月

ヤンマー富士耕うん機は、『山陽年鑑 1970年版』の広告によると、当時の(株)藤井製作所(のちのセイレイ工業、現在のヤンマー農機製造)が手がけた製品のようです。

旧セイレイ工業(株)は大正9年(1920年)藤井鉄工所として創業。昭和24年(1949年)(株)藤井製作所設立。昭和50年(1975年)セイレイ工業(株)に社名変更。
昭和36年(1961年)より東証二部に上場していましたが、平成15年(2003年)、ヤンマー子会社のヤンマーパートナーズ(株)に合併され上場廃止。

三菱ティラー

三菱ティラー
撮影:2003年7月
柱サイズ

島根県松江市東出雲町揖屋667-1、三菱マヒンドラ農機(株)

ティラーとは小型の耕耘機のことで昭和31年(1956年)開発とか。昭和35年(1960年)1月3日の毎日新聞大阪版に、農機メーカーの広告がいろいろ載っています。もちろん三菱ティラーも。広告主は新三菱重工業(株)。おそらく、西の三菱造船(株)、東の三菱日本重工業(株)も同様の広告を出していたものと思われます。

現在の三菱農機は重工とは別系統です。大正3年(1914年)佐藤商会創業。昭和20年佐藤造機(株)に改組。昭和55年(1980年)2月、佐藤造機と三菱機器販売(株)が合併、三菱農機(株)設立。

平成15年(2003年)6月マヒンドラUSA社と提携。関連会社再編の後、平成27年(2015年)10月現社名に変更。

クミアイ農業機械 サトー  
撮影:2006年4月

農協の倉庫にあった合成樹脂看板。プラだからアップで撮らず不鮮明ですが、これ、上の方に「サトー」って書いてあるような?

佐藤造機が製造、農協が販売の農機は検索するといくつか出てきます。三菱農機のOEMもあります。

農機はヰセキ

農機はヰセキ
撮影:2008年4月
柱サイズ

愛媛県松山市馬木町700、井関農機(株)

大正15年(1926年)、井関農具商会として愛媛県松山市で創業。昭和11年(1936年)、井関農機(株)設立。

奥村式ジテン精米機

奥村式 ジテン精米機 代理店
撮影:2009年4月
柱サイズ

大阪府大阪市西区九条南通2-162(昭和31年ごろの住所)の(資)奥村鉄工所の看板だったようです。昭和57年(1982年)ごろに(名)奥村鉄工所として精米機を造っているメーカーもおそらく同じでしょう(住所は大阪市西区境川3-25)。同社は戦前から「ジテン」ブランドの精米機や精麦機などを製造していました。

ジテン精米機拡大画像(30KB) マークは「オ×9+6×ラ」。

大山式深耕犂

大山式深耕犂 特約賣捌所
撮影:2010年11月
柱サイズ

三重県名張市東町にあった旧大山農具製作所の看板のようです。大正3年(1914年)創業。出店は大日本農機具名鑑 昭和14年12月5日 新農業社。広告あり。大山農具製作所広告

清水式精米麦機

登録商標 天下唯一 清水式精米麦機 代理店
撮影:2002年10月

昭和24年(1949年)11月17日の神戸新聞に「清水式精米麦機 東京都千代田区神田五軒町25 (株)清水商会」の広告が載っています。少なくとも大正14年(1925年)にはあったようです。

ウエキ式噴霧機

横浜 ウエキ式噴霧機
撮影:2003年12月
柱サイズ

神奈川県横浜市南区唐沢15番地にある横浜植木(株)の看板ではないかと思われます。
明治23年(1890年)創業。翌年(株)横浜植木商会設立。

スピー

スピー
撮影:2009年5月
柱サイズ

岡山県倉敷市中庄3225-1にあった(株)スピーの看板

大正11年(1922年)、佐藤庄次郎氏により佐藤農機具部として創業(岡山市内山下)。昭和6年(1931年)、合資会社佐藤農機具製作所に改組(岡山市下石井)。昭和10年(1935年)佐藤農具(株)、昭和37年(1962年)スピー農機(株)に。

本社は戦後は岡山市桑田町2-28(当時の住所)にありました。創業者は昭和47年(1972年)亡くなっていますが、ほぼこのころ、現社名になり移転しているようです。

スピー社屋看板

スピー社屋

「スピー」は、同社の開発してきた籾摺り機や耕耘機、発動機などの総合ブランドです。戦前より100以上の特許を取得、農機関連の賞をいくつも受賞しました。特に籾摺り機の技術発展に大きく貢献したとのことです。

画像は中庄の社屋の様子。玄関には琺瑯と同じロゴの看板がありました。このとき2013年5月。

なぜ入口にミッフィーののぼり旗が立っているんだろうと思ったんですが、隣接する中国フジパン工場の駐車場になっていて、その後解体され、同社の岡山第2工場になったようです。

大日本農機具協會々員

大日本農機具協會々員
撮影:2010年11月

足踏み式脱穀機に取り付けられている琺瑯製のプレート

シバタ式國産號
シバタ式國産號

於各博覧會共進會名誉金銀牌受領 農林省御選定 シバタ式 國産號(国産号)兵庫縣 赤穂郡 柴田商會工場制作
撮影:2003年3月 シバタ式 國産號拡大画像(70KB)

兵庫県赤穂郡上郡町上郡236にあった柴田工業(株)のプレート。
柴田三代治氏により明治45年(1912年)創業。当初は他メーカーの製品を大黒印として販売。大正5年(1916年)製造業にも着手(『上郡町のすがた』より)。

昭和の終わり頃までは営業していましたが、現在は廃業。工場の跡地はパチンコ店になっています。

(下)路傍にたたずむ國産號。

宮澤式フジ號

農林省指定 優良奨励機 新案登録 宮澤式 フジ號 宮澤農具製作所製 兵庫縣加古郡天満村
撮影:2004年3月 宮澤式フジ號拡大画像(67KB)

プレートが塀のすぐそばにあってこんな画像になってしまいました。しかもフェンスの影が。
加古郡天満村が他2村と合併し、稲美町になったのは昭和30年(1955年)ですが、どう見ても戦前の製品のような。

文明式旭光号

文明式旭光号

最新特優型 低音 切歯車 高級ベアリング入 文明式 旭光号 文明農機株式會社
撮影:2010年2月

鹿児島県鹿児島市郡元一丁目11-4、文明農機(株)
大正8年(1919年)6月、滋賀県で創業。昭和18年(1943年)8月、株式会社設立。

琺瑯以外の参考プレート

多木式九重號
多木式九重號

多木式 九重號 兵庫縣別府港 多木農工具株式會社謹製
撮影:2007年12月

多木肥料の関連会社多木農工具の農機具。おなじみの神代鍬印が見えます。木製のプレートですが良く残っていました。九重号があったなら、肥料の関連でしき島号などもあったのかも。

組合號

最新型 責任(?)保證 實用新案 T一號機 組合號 稲麦扱機 全?購買組合聯合會(マーク共同存栄)
撮影:2006年3月

かつて、全国購買組合連合会という、共同購入のシステムがありました。がんばって「最新型」を買われたのです。

カワベ式義士號

農林省 推奨品 カワベ式 義士號 兵庫縣姫路市青山 河部農具株式會社製
撮影:2001年10月

河部農具は昭和35年(1960年)頃までは営業していたようですが、現在は廃業しています。「義士」とは忠臣蔵の大石蔵之助たちのこと。中央の二つ巴は大石家の家紋です。マークは、古いものは討ち入り姿の蔵之助である場合が多いです。

カワベ式農具は赤穂市立民俗資料館などにも展示されていました。鳥取県若桜町の歴史民俗資料館には「義士號毛羽取器」なるものも。養蚕関連の農具でしょうか。いずれもプレートは琺瑯製でした。

参考文献

  • 『会社年鑑≪上場会社版≫ 2002年版』2001年10月22日 日本経済新聞社
  • 『昭和11年 岡山縣年鑑』昭和10年10月16日 山陽新聞社
  • 『大阪市工場名鑑 昭和31年』昭和31年4月25日 大阪市工業会連合会
  • 『全国工場通覧 1982年版』昭和57年3月30日 通商産業省【編】 日刊工業新聞社
  • 『広告キャラクター大博物館』平成6年11月10日 ポッププロジェクト 日本文芸社
  • 『山陽年鑑 1970年版』昭和44年10月1日 山陽新聞社
  • 『山陽年鑑 1973年版』昭和47年10月1日 山陽新聞社
  • 『岡山県歴史人物事典』平成6年10月3日 山陽新聞社
  • 『上郡町のすがた』昭和48年3月30日 上郡町教育委員会
  • 神戸新聞広告 昭和24年11月17日

2005年7月25日:三菱ティラー、ウエキ式噴霧機、宮澤式フジ號追加。2008年4月7日:ヰセキ差し替え。ヤンマー富士耕うん機、ヤンマーディーゼル、参考プレート追加。2009年5月26日:ジテン精米機追加。2010年3月31日:スピー、文明式旭光号追加。2011年4月15日:大山式深耕犂、大日本農機具協會々員追加。2013年6月1日:ヤンマー、スピー、コメント追加。

(2022年9月22日更新)