路上観察と琺瑯看板、マンホールのふた
お散歩 Photo Album

 
page top

薬4 奈良その他

コーピタン  コーピタン

火の用心 綜合感胃錠 三光丸発賣元 ナラのくすり コーピタン
撮影:2001年8月

綜合新感胃錠 コーピタン
撮影:2001年12月

奈良県御所市今住700番地1、(株)三光丸本店
元応元年(1319年)に創始とか。昭和22年(1947年)(株)三光丸本店設立。

現在コーピタンは、新コーピタンとなって複数のメーカーから出ているようです。下はダンナの実家にあったカプセルタイプのもの。「製造販売元 大峰堂薬品工業株式会社 奈良県大和高田市根成柿574」と書いてあります。

新コーピタンパッケージ

モダンパス  モダンパス

こりと痛みに モダンパス
撮影:2002年10月

火の用心 こりと痛みに モダンパス
撮影:2001年12月

奈良県高市郡高取町下子島386番地、池尻製薬(株)
明治40年(1907年)創業。昭和23年(1948年)株式会社設立。モダンパスは現在は製造されていないようです。

湿布薬はサロンパスが有名なせいか、「パス」のつく商品が多かったようですね。中にはオリンパス、ケロンパス、パステルなんていうのも。

赤ぐすり  青ぐすり

強力トンプク 風熱 赤ぐすり 奈良縣 太陽堂製薬K.K
胃腸良薬 青ぐすり 奈良縣 太陽堂製薬K.K
撮影:2002年9月

奈良県高市郡高取町下土佐578、太陽堂製薬(株)
明治8年(1875年)創業。赤ぐすり、青ぐすりというのは何だか安易なネーミングではないかと思っていました。が、今でもあるものでした。失礼しました。

ちよっきり軟膏

外傷 吹出物 思い出しませう ちよっきり軟膏
撮影:2006年4月

昭和45年(1970年)ごろは、奈良県橿原市石川町78にあった深井薬品工業(株)の看板。各地に配置薬を扱う事業所があったようです。昭和30年代は橿原市今井町蘇武橋町にありました。近くに「みみづ製薬(株)」という会社もあったようです。現在の本社は下関市でしょう。

「ちよっきり」というのはじゃんけんの「チョキ」で、ちよっきり軟膏に2つの効能があることより、指2本が立った「チョキ」のネーミングが行われたのではないかと想像します。

同社には他に「ぱあ」という製品もありました。「五つにきく ぱあ」というコピーで、じゃんけんの「パー」の絵柄が描かれていました。ちなみにじゃんけんの「グー」をイメージした製品があったかどうかは確認できませんでした。ちょっきり軟膏の発想だと効能ゼロになってしまうので無かったのでしょうか。また「チョキ」のマークは、会社のトレードマークでもあったと思われます。

キッパス

こりと痛みに キッパス 共立薬品工業KK 奈良縣高取町
撮影:2006年4月

奈良県高市郡高取町清水谷1085番地、共立薬品工業(株)
大正2年(1913年)創業、昭和23年(1948年)株式会社設立。キッパスは平成30年(2018年)現在サイトに掲載されていませんね。

妙婦湯

若さと美の魅力 綜合婦人薬 肝臓障害 ビタミン缺亡 高血圧予防 妙婦湯 糖衣錠 製造元 豊島製薬株式会社
撮影:2006年4月 拡大画像(45KB)

奈良県高市郡高取町清水谷296-1、豊島製薬(株)
妙婦湯は平成30年(2018年)現在も販売されています。

ビンA  メイロウ

きず薬 くさ かゆみ止 ビンA
撮影:2006年4月

頭痛に メイロウ
撮影:2006年4月

ニホンパス

こり 痛み ニホンパス 近江製薬 
撮影:2007年4月

滋賀県甲賀市甲賀町田堵野935、近江製薬(株)
昭和22年(1947年)10月、近江製薬(株)設立。

スパーク

綜合かぜ薬 スパーク 滋賀縣製薬 
撮影:2006年10月

滋賀県甲賀市甲賀町滝879番地、滋賀県製薬(株)
昭和18年(1943年)設立。

スパーク営業車

スパーク置薬箱

滋賀県製薬は戦後、配置薬の販売会社を各地に設立。姫路市にも中国スパーク薬品(株)の営業所があります。時折、このスパークの看板のようなロゴを付けた営業車を見かけます。

2枚目はスパーク置薬箱

日本一  すや胃散(?)

甘くてよく効くかぜくすり 日本一 滋賀縣製薬
撮影:2002年8月

滋賀県甲賀市甲賀町滝879番地、滋賀県製薬(株)

すや胃散(?) 本舘 すや薬堂
撮影:2007年4月

神農湯  引起散

家傳 血の道妙薬 婦人病一切 神農湯 販賣店
撮影:2004年9月

家嶋 浦部 引起散 胃腸良藥
撮影:2004年9月

家嶋というのは姫路市と合併した旧家島町の家島ではないかと思われます。家島には浦部薬局が現在もあります。

昭和25年3月7日の神戸新聞に「三百年の伝統に光る名薬 胃腸病、腹痛、食傷に 服んですぐ効く 引起散 五日分(十五包)三十円」という広告があります。こちらの広告主は家島町宮の向山薬房です。浦部が製造し、向山薬房が販売していたかどうかは未調査です。伝統薬とのことなので、引起散が家島の特産で、島のあちこちで製造されていた可能性もありますが。

永正膏  行者丸

いんきん ぜにがさ 皮膚病 特効藥 永正膏 各藥店二アリ
撮影:2002年2月

はら(の?)くすり 行者丸
撮影:2003年3月
検索すると奈良県大和郡山市根成柿574の大峰堂薬品工業(株)がヒットしました。明治33年(1900年)創業の製薬会社で、同社サイトには、創業者が熊野古道の大峰山で修行し、「行者丸相伝証」を伝授されたいきさつが書かれています。

大峰堂の歴史には昔のパッケージがいくつか紹介されています。行者印は登録商標なのでこちらのメーカーの看板でしょう。

ヒット

ぢの薬 ヒッ(ト)
撮影:2007年4月
大正~昭和初めごろは丁子堂薬房、昭和8年(1933年)ごろは合資会社丁子堂。本社は当時の東京市京橋区銀座四丁目(参考:東京市商工名鑑 第5回P521)。ヒットや強壮剤「トッカピン」は、戦前の新聞に大きな広告を載せています。

丁子堂薬房は『広告主名鑑』によると、大正4年(1915年)3月創業。大阪支店は大阪市西区立売堀北通にありました。

コストミン  コストミン

人体健康増進に漢藥主劑胃腸藥 コストミン(胃腸加答兒)消化不良( )ストミン 大便( )結 悪酔宿酔 全國有名藥店ニ有り
撮影:2002年9月 拡大画像(62KB)

昭和3年(1928年)8月26日の大阪朝日新聞に「慢性胃腸病ノ最新薬 コストミン 大阪東野田八丁目 北奥製薬所」という広告があります。

第一區 御所薬業會々員  奈良縣 醫薬業組合 組合員

第一區 御所薬業會々員
撮影:2006年3月

奈良縣 醫薬業組合 組合員
撮影:2006年3月

くさのクスリ オヤタスケ 親助

くさのクスリ オヤタスケ 親助  
撮影:2005年11月

合成樹脂看板の中では古そうです。見たことも聞いたこともない薬で、琺瑯版、金属版、木製いずれも見たことないです。

参考文献

  • 『全国工場通覧 1960年版』昭和34年11月10日 通商産業省編 日刊工業新聞社
  • 『全国工場通覧 1972年版』昭和46年11月10日 通商産業大臣官房調査統計部編 日刊工業新聞社
  • 神戸新聞西播版広告 昭和25年3月7日分

2005年6月3日:行者丸、日本一、セーフ追加。2010年2月4日:ちよっきり軟膏、キッパス、妙婦湯、ビンA、メイロウ、ニホンパス、スパーク、神農湯、引起散、ヒット、御所薬業會々員、奈良縣醫薬業組合追加。

(2022年10月2日更新)