路上観察と琺瑯看板、マンホールのふた
お散歩 Photo Album

 
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調味料

うま味調味料


世界的調味料 味の素(あぢのもと)株式会社 鈴木商店 東京 大阪
撮影:2007年4月

世界の調味料 味の素(あぢのもと)
撮影:2005年10月

東京都中央区京橋一丁目15番1号、味の素(株)

明治42年(1909年)5月創業、うま味調味料「味の素」発売。大正6年(1917年)6月、(株)鈴木商店設立。昭和21年(1946年)2月、味の素(株)に社名変更。

『うま味調味料の知識』より。
明治40年(1907年)年頃、東京帝国大学の池田教授は昆布のうまみがグルタミン酸であることに注目、明治41年、グルタミン酸を使った調味料の製法特許を取ります。味の素(株)(当時の鈴木製薬所)が製品化しました。特許の切れた昭和4年(1929年)より他の企業も製品化し、昭和5年には28社が製造していました。

『有名企業 社名とマークの秘密』によると、下の看板の「お椀マーク」は昭和29年(1954年)~33年(1958年)までのもののようです。昭和30年代の初め頃でしょうか。上の看板は戦前のものでしょう。

旭味 マルキン味

(アヂ)調味料 純結晶
撮影:2001年12月 拡大画像(30KB)

『うま味調味料の知識』によると、昭和10年(1935年)、宮崎県延岡市の旭ベンベルグ絹絲(株)で製造され、日本窒素肥料(株)が発売した調味料は「旭味」と名づけられました。戦後は旭化成(株)が製造販売しますが、旭化成の食品事業は平成11年(1999年)7月に日本たばこ産業(株)に譲渡されています。この看板は旭ベンベルグ絹絲時代のもの。

マルキン 味
撮影:2001年12月
旧マルキン醤油(マルキン忠勇(株)を経て現在の盛田(株))の製品。昭和37年(1962年)発売。

いの一番

味ならやっぱり… タケダの総合調味料 いの一番
撮影:2002年9月

いの一番の行灯タイプ合成樹脂看板。裏側はプラッシー。
昭和36年(1961年)、武田薬品工業(株)より発売。

マルカ天ぷら油
加藤製油の○カマーク看板

サラリと揚る マルカ印を! マルカ天ぷら油・雪サラダ油
撮影:2002年8月

大阪市此花区梅町二丁目1-16、加藤製油(株)

昭和16年(1941年)、岡山県玉野市に加藤製油所として創業。昭和24年(1949年)株式会社に改組。昭和45年(1970年)加藤製油(株)を合併、現社名に変更しています。玉野市築港五丁目にある工場には、今でも○カマークがあります(2枚目の画像)。

マルホン純良胡麻油
マルホン正胡麻油

マルホン純良胡麻油

香味優秀 マルホン純良胡麻油 撮影:2005年1月

香味優秀 マルホン純良胡麻油 撮影:2005年10月

香味優秀 マルホン正胡麻油 撮影:2006年4月

愛知県蒲郡市港町2番5号、竹本油脂(株)

亨保10年(1725年)創業。もとは菜種油を製造していましたが、大正4年(1915年)より胡麻油の製造を手がけるようになりました。昭和20年(1945年)6月株式会社に改組。

マルホン正胡麻油

宵ごとに都に出づる油売り更けてのみ見る山崎の月 マルホン 極上 正胡麻油 特約店(合成樹脂看板)
撮影:2009年3月

京都と大阪の境にある山崎は室町時代に油座があり、油売りが毎晩都に出かけていたのでしょう。この和歌は『七十一番職人歌合絵巻』にあるものです。

豊年天ぷら油 豊年サラダ油

豊年天ぷら油 豊年サラダ油
撮影:2006年4月

東京都中央区明石町8番1号 聖路加タワー、(株)J-オイルミルズ

(株)ホーネンコーポレーション、味の素製油(株)、吉原製油(株)が経営統合。持ち株会社を経て平成16年(2004年)7月、J-オイルミルズ誕生。

旧ホーネンコーポレーションの看板。同社は大正11年(1922年)4月豊年製油(株)として設立。神戸の鈴木商店系の会社でした。平成元年(1989年)4月(株)ホーネンコーポレーションに社名変更。

ゴールデンサラダ油

最高級 コットンサラダオイル ゴールデン棉実サラダ油
撮影:2001年12月

東京都中央区明石町8番1号 聖路加タワー、(株)J-オイルミルズ

看板は大阪府大阪市北区中之島三丁目6-32 ダイビル、旧吉原製油(株)(現在のJ-オイルミルズ大阪支社)のもの。

吉原製油は安政2年(1855年)創業。昭和10年(1935年)吉原製油(株)と改称。
ゴールデンサラダ油は昭和8年(1933年)誕生しています。

下中野 ニッコー天ぷら油

下中野 ニッコー 日本興油 天ぷら油 サラダ油(柱サイズ)
撮影:2009年5月

昭和23年(1948年)、岡山市北区南方82(当時)に日本糠油工業(株)設立。昭和26年(1951年)、本社を大阪市東区豊後町32(当時)に移転し日本興油工業(株)に改称。米ぬか油から大豆油生産への転換をはかります。昭和43年(1968年)日本興油(株)に社名変更。

昭和55年(1980年)にはニッコー製油(株)が設立されていますので、看板は1960年代の終わり頃から70年代にかけてのものでしょう。

平成14年(2002年)、日清製油(株)、リノール油脂(株)と経営統合、持株会社の日清オイリオグループ(株)誕生。
平成16年(2004年)、旧日清製油を母体とし、日清オイリオグループとグループ内3社が合併、持株会社ではない日清オイリオグループ(株)誕生。
住所は東京都中央区新川一丁目23番1号。ニッコーブランドの食用油の製造は終了でしょうか。

三栄印純良正胡麻油

香味優秀 三栄印純良正胡麻油 三榮油脂株式會社特約店(柱サイズ)
撮影:2005年2月 拡大画像(34KB)

三栄油脂(株)で検索すると、兵庫県尼崎市大物町二丁目11-4と大阪市西成区南津守5丁目9-27という住所がヒットしますが、食用油のメーカーではなさそうです。

その他調味料

カゴメトマトケチャップ
カゴメトマトケチャップ

カゴメケチャップ 撮影:2006年1月

カゴメトマトケチャップ 撮影:2004年2月
拡大画像(54KB)

愛知県名古屋市中区錦三丁目14番15号、カゴメ(株)

明治36年(1903年)、蟹江一太郎氏により創業。大正3年(1914年)愛知トマト製造(資)に改組。昭和24年(1949年)愛知トマト(株)、昭和38年(1963年)カゴメ(株)に改称。

ハウスカレー

ハウスカレー 撮影:2010年12月

大阪府東大阪市御厨栄町一丁目5番7号(大阪本社)、東京都千代田区紀尾井町6番3号(東京本社)、ハウス食品(株)

大正2年(1913年)大阪市内で浦上商店として個人創業。昭和35年(1960年)ハウス食品工業(株)、平成5年(1993年)ハウス食品(株)に。

何と言っても「カレーはハウス」。故人となられた西城秀樹さんの、バーモントカレーのCMもありました。その他、各種スパイスやとんがりコーン、近年まで製造していた六甲のおいしい水なども有名です。

ハウスカレー木製看板

ハウスカレー(木製看板)
撮影:2005年3月

こちらはハウス食品の木製看板。看板にある旧ブランドマークは、昭和3年(1928年)より昭和55年(1980年)まで。

マークの屋根と壁に「IN EVERY HOUSE」と書かれています。古くなってテラスや煙突がほとんど見えないのが残念です。

ヱスビーカレー

ヱスビーカレー
撮影:2002年3月

東京都中央区日本橋兜町18番6号、ヱスビー食品(株)

エスビー食品は大正12年(1923年)日賀志屋として創業。昭和15年(1940年)設立。「S&B」の登録は昭和6年(1931年)で、商標の「ヒドリ」の英訳「SUN」と「BIRD」によるものだそうです。

昭和24年(1949年)、ヱスビー食品株式会社に改称。翌年、看板にある赤缶発売。平成4年(1992年)より表記のみ「エスビー」とされています。「ヱ」と「エ」の区別がつかない人が増えてきたということでしょうか。

S&Bゴールデンカレー

S&B GOLDEN curry からくち・甘口 ゴールデンカレー(トタン看板)

食料品のページにも入れています。ゴールデンカレーは昭和41年(1966年)発売。かつては「curry」が小文字でした。

ベル カレールウ トマトルウ

ベル カレールウ トマトルウ(柱サイズ)
撮影:2005年3月

大阪市鶴見区鶴見一丁目6-117、ベル食品工業(株)

昭和27年(1952年)4月創業。昭和44年(1969年)5月株式会社設立。ベルカレールウとトマトルウは創業時に発売されています。

月美人印コショー

月美人印コショー(柱サイズ)
撮影:2005年3月 拡大画像(27KB)

大阪市にあった合名会社黒川与兵衛商店の看板と思われます。

『全国食品業者名鑑 近畿地区編 1960年版』P17の「合名会社黒川与兵衛商店」概況には、「黒川与兵衛氏が嘉永元年に大阪天満でカラシ粉の製造販売業を始め」とあります。昭和5年(1930年)に合名会社設立とのこと。

昭和34年の時点で、大阪市北区菅原町100(のちの菅原町7-2)の拠点は支店で、本店および工場は尼崎でした。

『食糧年鑑 昭和40年版 広告編』P148には、新与ブランドと月美人ブランドの香辛料やカレーの広告があります。広告主は、製造元:(合)黒川与兵衛商店(大阪市)、発売元:新与からし(株)となっています。

2社は1980年代には、製造販売は新与からしの方に統合されているのではないでしょうか。
新与からしの設立年に関しては戦前と戦後の複数のデータがありますが、昭和30年(1955年)でしょうか?

新与からし(株)は、兵庫県尼崎市元浜町5丁目81-2(旧潮江町深田2)にありました。

静わさび

生わさび以上の優秀品 静わさび 色・香・辛味・絶佳
撮影:2003年5月

小振りで珍しい形の看板です。ネット検索では、群馬県前橋市西善町610-1の(株)静わさびがヒットします。看板と同じロゴのようです。

『食糧年鑑 1975年』には、同じロゴで「(株)静わさび本舗 東京都文京区根津2丁目4の3」という広告があります。

酒の華

高級調味料 酒の華(柱サイズ)
撮影:2003年5月 拡大画像(28KB)

昭和31年(1956年)の新聞広告で「家庭ですぐお酒やブドー酒ができる酒の華(食品衛生法合格品)」というのがありました。関西総発売元は酒の華商事(株)という会社でした。製造メーカーは不明です。

台湾製糖木製看板

臺灣製糖株式會社製品販賣店 三井物産株式會社一手販賣(木製看板) 
撮影:2019年5月 拡大画像(36KB)

東京都港区芝五丁目26番16号 Mita S-Garden、DM三井製糖(株)
(旧)東京都中央区日本橋大伝馬町7-5、台糖(株)

旧台湾製糖(株)は明治33年(1900年)、台湾での製糖産業を目的とし、三井財閥を中心にした政財界が設立。本社は台湾にありました。
戦後は国内の施設については、2度の社名変更ののち昭和25年(1950年)台糖(株)に。

DM三井製糖株式会社の沿革によると、「平成17年(2005年)4月、三井製糖に商号変更(新三井、台糖、ケイ・エスの合併)」とあります。旧台糖はこの時点で解散となりました。最後の社長は佐藤さんでした。

看板にあるTSマークは終了。おなじみのブランド「スプーン印」は三井製糖に引き継がれました。

台湾内にあった施設は、旧他社施設と合わせ、臺灣糖業股份有限公司として台湾の公営事業となっています。

参考文献

  • 『うま味調味料の知識』太田静行 1992年6月25日 幸書房
  • 『有名企業 社名とマークの秘密』2008年4月22日 本間之英著 学研
  • 『日本会社史総覧 上巻』1995年11月24日 東洋経済新報社
  • 『大阪商工名録 昭和31年版』昭和31年5月20日 大阪商工会議所
  • 『兵庫県工場名鑑 1965年版』昭和40年8月20日 兵庫県商工会議所連合会
  • 『兵庫県工場名鑑 昭和47年版』兵庫県商工会議所連合会
  • 『山陽年鑑 昭和30年版』昭和29年10月1日 山陽新聞社
  • 『山陽年鑑 昭和38年版』昭和37年10月1日 山陽新聞社
  • 『岡山県歴史人物事典』平成6年10月3日 山陽新聞社
  • 『全国食品業者名鑑 近畿地区編 1960年版』昭和34年11月10日 関西食糧新聞社
  • 『食糧年鑑 昭和40年版 広告編』1965年 日本食糧新聞社
  • 『全国食品業者名鑑 1989 <西日本編>』平成元年9月20日 食品新聞社出版部
  • 『食糧年鑑 1975年』1975年 日本食糧新聞社
  • 「神戸新聞播州版広告」昭和31年8月17日分

2008年12月10日:味の素2枚、マルホン胡麻油3枚、三栄印胡麻油、カゴメケチャップ追加。その他画像差し変えあり。2009年12月5日:豊年、ニッコー、ベル、月美人印、静わさび追加。2010年1月27日:酒の華追加。2010年2月2日、2013年5月22日:コメント修正。

(2025年10月12日更新)