上下水道 岡山県倉敷市
上水道
倉敷市 制水弇(制水弁)
殿堂
撮影:2014年3月 岡山県倉敷市
旧倉敷市は昭和3年(1928年)4月1日、倉敷町が市制を施行し誕生。さらに昭和42年(1967年)2月1日、旧倉敷市と児島市、玉島市が合併、2代目倉敷市になっています。この蓋は旧倉敷市時代のものでしょう。
倉敷市 止水栓
殿堂
撮影:2007年9月 岡山県倉敷市
マークは旧倉敷市の市章。
倉敷市 量水器
撮影:2007年9月 岡山県倉敷市
一般家庭用の小型量水器。マークが少々杜撰ですが古い蓋のようです。
倉敷市の上水道事業は、大正12年(1923年)9月給水開始。
倉敷市 量水器
撮影:2007年9月 岡山県倉敷市
左書きになりましたが「器」の字が右上に「ヽ」のあるものでちょっと古め。
倉敷市 量水器
撮影:2014年3月 岡山県倉敷市
珍しく明朝体の蓋。繊細な雰囲気で倉敷に似合いますね。下水道の蓋にも明朝体のものがあります。
倉敷市 量水器
撮影:2013年3月 岡山県倉敷市
旧玉島市街にもありました。昭和42年(1967年)の合併後まもなく設置された蓋でしょうか。近くには同じデザインの「玉島市」の蓋もありました。菱格子パターンで、2段の文字列をまとめて文字に沿って囲んでいるのは古くからのデザインですね。
倉敷町 水道 消火栓
殿堂
撮影:2014年3月 岡山県倉敷市
文字が読みづらいですが、昭和3年(1928年)3月までの、倉敷町時代の蓋。約90年経過とはすばらしい。ただ戦前モノなら「消火栓」ではなく、西日本に多い「防火栓」にしてほしかった。なぜネーミングが東京様式になったのか残念です。
倉敷市 水道 消火栓
殿堂
撮影:2014年3月 岡山県倉敷市
平成19年(2007年)にもっとすり減った蓋を見たのですが、それは平成26年(2014年)には発見できませんでした。新しい蓋も増えてきています。
倉敷市 水道 消火栓
撮影:2009年4月 岡山県倉敷市
上の蓋と比べると、大きさは変わらないのに、文字が大きいので堂々として見えます。「道」と「消」の文字が古めかしくていい感じ。下の井戸式消火栓と同じ地域にありました。書体が似ているので同じ業者が作ったのかもしれません。
井戸式消火栓 倉敷市
殿堂
撮影:2009年4月 岡山県倉敷市
一辺500mmくらい。「井戸式消火栓」の端正な書体がいいですね。
井戸式消火栓というのは、文字通り井戸につながっている消火栓で、上水道の配管が来ていない場所や防火水槽のない場所でも、井戸を掘れば消火栓が設置できるものです。
この蓋があったのは郊外ですが、同じものは、古くから上水道の通っていた市街地にもありました。左書きの蓋の中では最も古いものかもしれません。
下水道
倉敷市 下水道
撮影:2007年9月 岡山県倉敷市
餅焼き網のようなシンプルな蓋。一辺600mmくらい。
(右)蓋の中央に描かれている倉敷市の旧市章。線の隙間を見ると「倉」の文字をデザイン化したというのがよくわかります。もちろん、左右対称でも上下対称でもないのですが、マークがつぶれかけている蓋ではそのあたりはわかりにくいですね。
旧市章は町時代からの伝統のものでしたが、昭和42年(1967年)の倉敷・児島・玉島の3市合併の後、「クラ」マークに変更されました。
倉敷市 下水道
撮影:2014年3月 岡山県倉敷市
JIS蓋。旧マークの蓋もまだまだあります。
倉敷市(下水燈孔)
殿堂
撮影:2007年9月 岡山県倉敷市
マークのみの外蝶番小型蓋。鉄光りがカッコイイ。
さてこの蓋ですが、駅からマンホールさんのご指摘で燈孔蓋であることが判明しました。倉敷に燈孔蓋があるとは知らず、また「昭和35年から37年にかけて4基のみ設置」とのことで、戦後でも燈孔が設置され、さらに貴重な4枚のうちの1枚のようで驚きました。
燈孔(ランプホール)は、その名の通り点検用のランプを下げるための孔で、人が出入りできるマンホールよりも小規模で経費がかかりにくいので、採用されることがあったようです。下水管路の曲がっている部分に設置される場合もありました。この蓋のある位置も緩いカーブになっています。
ただ、昭和30年代後半の倉敷市がそれほど財政が厳しかったのか、マンホール4基をランプホールにしたところで、たいした節約にはならないのではないのか……。いろいろ謎ではあります。
燈孔参考リンク
駅からマンホール-下水君100周年記念企画 ~ 燈孔蓋(ここで紹介されている東京の蓋と同タイプ)
マンホール・下水・暗渠 ~rzekaの都市観察(文中「燈孔設置数」へのリンクあり)
倉敷市 下水道
撮影:2013年3月 岡山県倉敷市
中央の「クラ」マークは現在の市章。めずらしく「下水道」の文字がひっくり返っている蓋です。合併直後で新市章を見慣れてなかったとか? 下半分に「下水道」と書かれている蓋はあちこちにたくさんあります。
角蓋5連。
旧玉島市
玉島市 量水器
撮影:2007年9月 岡山県倉敷市
上から4枚目にある同じデザインの「倉敷市 量水器」の近くにありました。設置年代は大差ないのでしょうが、こちらは旧倉敷市と合併する昭和42年(1967年)2月以前のもの。
玉島市水道 量水器
撮影:2007年9月 岡山県倉敷市
小型量水器の蓋。昭和30年代のものではないでしょうか。類似デザインの蓋は、玉野市や旧瀬戸町にもありました。「玉」の点の位置が微妙です。
茶屋町地区
? 止水栓
撮影:2013年3月 岡山県倉敷市
旧都窪郡茶屋町(ちゃやちょう)は、明治29年(1896年)2月に町制を施行、昭和47年(1972年)5月1日、倉敷市に編入合併されています。これは旧町時代の蓋だと思われますが、マークが全然読めません。「水」ではなさそうですが。
茶 水道メーター
撮影:2013年3月 岡山県倉敷市
地区専用というより、旧茶屋町時代の蓋ではないでしょうか。
旧茶屋町の上水道事業は、市サイトによると、昭和4年(1929年)早島町と共に上水道組合を設立、2年後給水開始。昭和18年(1943年)には、倉敷市および早島町と岡山県備南上水道配水組合を設立し給水。合併により倉敷市水道事業に編入される、という流れのようです。
2014年6月5日更新。2017年11月2日:燈孔説明追加。